信州大、水道水の携帯型浄水ボトル 残留塩素除去

2018/10/25 7:00
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信州大学と住設機器のトクラス(浜松市)は24日、携帯型の水道水浄水ボトル「NaTiO(ナティオ)」を発売すると発表した。信州大が得意とする結晶の育成技術を応用した初の商品で、水道水中の鉛などを取り除く世界初の新素材を使った。信州大の基幹技術の製品化が進み、長野県などと進める産業高度化にも弾みが付きそうだ。

水の入ったナティオを持つ信州大の手嶋所長(左)とトクラスの上川秀哉技術部副部長

上から押してカートリッジに水を通して浄水する

ナティオは水道水をカートリッジに通して残留塩素や、老朽化した水道管から溶け出した鉛などの重金属を除去する。水の浄化装置を使っているなど、飲料水の質に気を使う家庭を主な購買層と見込む。

約250グラムと軽く持ち運びやすい。価格は本体が2980円(税別)で、約360回使える交換用カートリッジは3個で2980円(同)。トクラスのウェブサイトのほか、一部の都内百貨店で12月25日から販売する予定だ。

信州大とトクラスは平常時の飲料用のほか、災害時などにも需要があると見込む。会見した信州大環境・エネルギー材料科学研究所の手嶋勝弥所長は「マイクロプラスチックが社会問題化するなか、ペットボトルを置き換えたい」と話す。

使用したのは「三チタン酸ナトリウム」と呼ぶ新素材。「フラックス法」と呼ぶ信州大の技術を用いて結晶化すると多重層構造となり、水道に含まれる鉛などを吸着する性質を持つ。

一方でミネラルなど水にある栄養素はほとんど吸収しないという。ナティオはナトリウム(Na)、チタン(Ti)、酸素(O)の元素記号から命名した。信州大とトクラスは2007年から共同開発を進めていた。

今後はティーバッグ状にして水につけて浄水化できる商品のほか、蛇口に直結、シンク内に設置するタイプなどを開発。種類を増やす。

今回は国内の水道水に特化した商品だが、今後は各国の水事情に合わせた製品も開発する。国連が持続可能な開発目標(SDGs)で掲げる「安全な水とトイレを世界中に」に適合する商品として売り出す。

信州大と長野県は結晶技術を産業化する「信州型地域イノベーション・エコシステム」を進めている。重金属吸着剤を用いた浄水器の商品化も柱の1つで、手嶋所長は「初の商品化が持つ意味は大きい」と話している。

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