2019年6月27日(木)

国内パソコン出荷、4~9月は7%増 メーカーは反動減警戒

2018/10/24 18:16
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電子情報技術産業協会(JEITA)が24日発表した2018年4~9月の国内パソコン出荷額は前年同期比6.9%増の3151億円だった。上半期で3千億円を超えるのは4年ぶり。働き方改革のほか20年にサポートを終了する「ウィンドウズ7」の更新が追い風だ。メーカー各社は需要取り込みを急ぐ一方で反動減を警戒、販路やサービスの拡充も進める。

国内パソコン出荷額が上半期で3千億円を超えるのは4年ぶりだ(写真は東芝のノートパソコン)

オフィスの外で働く「テレワーク」の推進で薄く軽いノートPCを従業員に貸与する企業が増えている。また現在主流の基本ソフト(OS)、ウィンドウズ7は20年1月にサポートを終える。過去にはサポート終了後の脆弱性を突くサイバー攻撃もあった。企業はOSの更新に合わせてPCを買い替えている。

需要増に対し、レノボ・グループのNECパーソナルコンピュータは山形県米沢市の工場を2割増で稼働している。「国内全体の人手不足もありこれ以上の増強は悩ましい」という。今後さらにニーズが跳ね上がれば、レノボの中国工場に生産委託する機種を増やすことも検討する。

米デル・テクノロジーズの日本部門は営業人員を昨年度の1100人から今年度中に1600人体制に強化、需要の取りこぼしを防ぐ。PCの営業を切り口にしながら、サーバーなどの売り込みでも攻勢をかける。

一方で国内出荷統計は9月単体では前年同期比7.4%減の594億円だった。PCに欠かせないCPU(中央演算処理装置)の供給不足が出荷にブレーキをかけたとの指摘がある。外資系PCメーカー幹部は「市況変調の予兆かどうか見極める」とする。さらに「20年の崖」も懸念事項だ。

日本はOSの切り替えに伴う市場の山谷が大きいといわれる。要因のひとつは企業のシステム移行の慎重さだ。業務ソフトが新しいOSやPCで問題なく動くか、競合の状況もにらみ検証を重ねる。結果、更新時期が集中する。

14年4月にサポートを終了した「ウィンドウズXP」でも駆け込みがあった。直前の13年度に国内市場は16%拡大、14年度は21%減少し15年度も落ち込んだ。過剰在庫を抱えたメーカーからの悲鳴もあり、米マイクロソフトは今回、サポート終了の告知をXPの時よりも1年前倒しした。

それでも反動減は避けられない見通し。MM総研(東京・港)は18年9月末時点で国内の企業で稼働するPCの半分はまだ「7」だとみている。出荷台数は20年度に19年度比で24%減ると予測する。

メーカーも先々の市場変化に手を打つ。

14年にソニーから独立したVAIOは大企業で先行する動きが、20年以降はPCやOSを長く使う中小に移るとみる。膨大な企業数に対応するため電話やネットを駆使するインサイドセールス(非対面営業)を推進する。顧客の規模や業務内容を分析し効率的に商談につなげる。

米HPはPCの稼働状況を遠隔で監視、故障しそうな部品を予防交換するといった運用支援サービスを売り込む。

MM総研の中村成希研究部長は「製品売り切りのビジネスモデルはついに限界を迎える」とする。PC業界は00年代に陳腐化の波が押し寄せ、合従連衡が進んだ。今また競争軸が変わりつつあるなか、業界の勢力図は再び塗り替わる可能性が高い。(比奈田悠佑)

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