「ナマハゲ」無形遺産登録へ ユネスコ補助機関が勧告

文化庁は24日、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の補助機関が、「男鹿のナマハゲ」(秋田)など8県10件の伝統行事で構成する「来訪神 仮面・仮装の神々」を無形文化遺産に登録するよう勧告したと発表した。11月26日から12月1日までインド洋のモーリシャスで開かれるユネスコ政府間委員会で、勧告通り登録が決まる見通しだ。
来訪神は、正月などに仮面をかぶったり仮装したりした人が「神」として家々を訪れ、幸福をもたらすとされる行事。10件はいずれも国の重要無形民俗文化財に指定されている。政府は「地域の結びつきや世代を超えた交流を深める絆の役割を果たし、伝承されてきた」と評価し、2017年3月に登録申請していた。
10件のうち「甑島のトシドン」(鹿児島)は、09年に単独で登録された。その後、追加で登録を目指した男鹿のナマハゲが「トシドンと類似している」との理由で見送られたのを受け、政府は、トシドンやナマハゲなど複数の行事をまとめて一つの遺産とみなす手法に切り替えた。
日本の無形文化遺産は現在21件。来訪神はトシドンの「拡張」として扱われるため、登録されても総件数は増えない。
日本の候補が次に登録審査を受けるのは20年。政府は、宮大工などが継承する「伝統建築工匠の技 木造建造物を受け継ぐための伝統技術」の登録を申請している。〔共同〕
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