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W・ヘーゲンが贈る勝利へのゴルフゲーム術(4)

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2018/11/12 6:30
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ヘーゲンの教え その8

 「奇跡は起こそうと念じれば本当に起こすことができるのだ」

スポーツ心理学では予言したことは起きやすいということがよくいわれる。これはネガティブにもポジティブにも働くが、ヘーゲンは常にポジティブにそれを行っていた。最初はギャラリーを喜ばすために口にも態度にも出していたが、たびたび成功するうちに、自然になった。

「有言実行」がヘーゲンの専売特許になったのだ。

26年の全英オープンの最終ラウンド、ジョーンズが首位でホールアウトし、クラブハウスのバルコニーからヘーゲンのプレーを見ていた。その最終ホールでヘーゲンはイーグルをとればジョーンズに並ぶことができた。

ヘーゲンは素晴らしいティーショットを放ち、セカンドショットはピンまで150ヤード。彼は公式スコアラーにグリーンまで行ってピンを抜くように言った。本気でカップインを狙ったのだ。

「私は観客がどよめく中、ゆったりとした動作でボールに向かって構え、しっかりととらえた。打球は真っすぐに飛び、グリーンに落ちてカップに向かって転がり、カップに当たり、手に持たれたピンにも当たったのだ。その瞬間、イーグルを奪ったと同じくらいの歓声がとどろいた。ジョーンズが腰を抜かすほど驚いたのは間違いない」

しかし、そうしたミラクルはほかにもたくさん起きた。

才能ある若者、ホートン・スミスが首位であがった28年のカタリーナ島オープンでは、ヘーゲンは16番のティーグラウンドで残り3ホールを「3・2・1の6であがり、君とタイになる」と宣言、それにはバーディー、バーディー、ホールインワンが必要だった。

実際に、16番で2メートルにつけてバーディー。17番では6メートルを沈めてバーディー。最終18番では190ヤードを2番アイアンで打ち、カップから僅か10センチというスーパーショットを放った。

大騒ぎしているギャラリーの一人がつぶやいた。

「もしもピンを抜いていれば入っていたんだ。ピンに当たったのだから」

まさにそれがヘーゲンという男だったのだ。

(文:本條強、イラスト:サイトウトモミ)=おわり

WALTER HAGEN 1892年12月21日、米ニューヨーク州ロチェスター生まれ。180センチ、80キロ。ニックネームはヘイグ。7歳のときにロチェスターCCのキャディーとなり、19歳でクラブのヘッドプロとなる。1913年に全米オープン選手権初挑戦で2位となり、翌14年に優勝、19年に2勝目を挙げる。全英オープン選手権は20年に初挑戦し、53位と惨敗、2年後の22年に初制覇。その後3回の優勝を成し遂げる。全米プロゴルフ選手権は21年に初優勝し、その後4回の優勝を遂げる。米ツアー通算45勝は歴代8位。メジャーは11勝で歴代3位。ゴルフウエアにこだわり、当代随一のだて男であり、観客を大いに引きつけるエンターテイナーだった。

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