2018年11月14日(水)

首相、外国人材「即戦力を受け入れ」 所信表明

政治
2018/10/24 14:07
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第197臨時国会が24日召集され、安倍晋三首相は午後の衆参両院本会議で所信表明演説に臨んだ。深刻な人材不足に対応するため、就労を目的とした新しい在留資格を創設し「即戦力となる外国人材を受け入れる」と強調した。憲法改正では衆参両院の憲法審査会で具体的な案を示した上で、与野党の幅広い合意を得ることに期待を示した。

首相の国会演説は、9月の自民党総裁選での連続3選後初めて。今後3年をかけて社会保障制度を全世代型にすると指摘する。幼児教育無償化や65歳以上の継続雇用の引き上げなどを列挙した。来年10月の消費税率10%への引き上げについて「経済に影響を及ぼさないよう、あらゆる施策を総動員する」と訴えた。

深刻な人材不足に対応するため「一定の専門性・技能を有し、即戦力となる外国人材」を受け入れる方針を表明した。受け入れ拡大に合わせ「出入国在留管理庁」を新設し「受け入れ企業の監督に万全を期す」と言明した。外国人材を巡っては技能実習生を劣悪な環境で働かせるなどの問題事例が指摘されていることから「生活環境の確保に取り組む」「日本人と同等の報酬をしっかりと確保する」と指摘した。

関税の引き下げや撤廃について定める日米の物品貿易協定(TAG)をめぐり、農産品の扱いは「過去の経済連携協定(EPA)で約束した内容が最大限だと米国と合意した」と明らかにした。「(日米)双方に利益が得られるような結果を出す」と強調した。

党総裁選で公約に掲げた憲法改正では、実現への意欲を鮮明にした。衆参両院の憲法審査会で政党としての改憲案を示し「国民の理解を深める努力を重ねていく」と指摘した。「与党、野党といった政治的立場を超え、できるだけ幅広い合意が得られると確信している」と語った。

北東アジアには冷戦構造が残っているとし「戦後日本外交の総決算を行う」と訴えた。北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)委員長と自らが向き合うとしたうえで「相互不信の殻を破り、拉致、核、ミサイル問題を解決し、不幸な過去を清算して国交正常化を目指す」と強調。「拉致問題の一日も早い解決にあらゆるチャンスを逃さない」と決意を表明した。

ロシアとの北方領土問題を巡っては「プーチン大統領との信頼関係の上に、領土問題を解決し、日ロ平和条約を締結する。日ロ新時代を切り開く」と訴えた。25日からの中国訪問に触れ「あらゆるレベルで交流を飛躍的に強化し、日中関係を新たな段階へ押し上げる」とアピールした。

臨時国会の会期は12月10日までの48日間。政府は24日、総額9356億円の2018年度第1次補正予算案を国会に提出した。災害復旧への経費を盛り込んでおり、11月上旬までの成立をめざす。首相は25日から中国を訪れ、習近平(シー・ジンピン)国家主席らと会談する。演説に対する与野党の衆参両院の代表質問は帰国後の29日から31日の日程で実施する。

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