2018年11月18日(日)

大学の自主性尊重 文科省「入試不正、自ら迅速に公表を」

社会
2018/10/23 22:04
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医学部入試不正問題で、文部科学省は23日、不適切である可能性が高い4つの事案を明らかにしたが、調査中として大学名は明かさなかった。事案を参考に各大学が入試を点検し、不適切であれば速やかに公表するよう要請。大学自らが入試の透明性を高めるよう求めた。

柴山昌彦文科相は同日の閣議後会見で、大学名が明かされず受験生が混乱する可能性を指摘され「最終的なとりまとめを待たずに要求すべきことを公表し、大学が順守するよう強く要望している」とした。

不適切である可能性が高いとしたのは(1)出願書類の審査時などに現役生などに加点して多浪生には加点しないなど属性で差をつける(2)学力検査で同点でも、多浪生や女子は面接試験などでより高い評価を得ないと合格できない(3)卒業生の子供など特定の受験者を合格圏外でも合格させる(4)学力検査などの得点が低くても補欠合格で優先する――の4つ。

これとは別に公正さに疑いを招きかねない事案として▽出願書類で家族の氏名、職業、出身校を記入させ、面接で経済状況について詳細に質問▽補欠合格者の決定などを学長や学部長らに一任――など5つを挙げた。

既に受験シーズンが始まったが、受験生にとって各大学の入試の公正性は受験校選びで重要だ。過去に医学部を受験し、本当なら合格していた場合、救済されるかどうかも今後の計画を左右する。同省は差し迫る2019年実施の入試に混乱がないように、大学自らが迅速な公表、対応をするよう求めている。

同省が事案の提示にとどめた背景には入試は学生受け入れ方針に基づき、各大学が独自に行うものだからだ。卒業生の子供の入学でも、東京女子医科大や日本大が入学枠を設けるといった事例がある。担当者は「不利益を受けた受験生への対応を迅速に進めるためにも、大学の自主性が大切」としている。

公正性担保の具体的なあり方についても、同省は医学部を置く国公私立の大学や病院が参加する「全国医学部長病院長会議」が11月中に出す指針を参考にする。性別や年齢などによる扱いの差が不適切かどうかは理由の合理性にもよる。同省が一律に基準を示すのは困難で、各大学が議論して出す結論を尊重する考えだ。

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