対中ODA、40年で幕 対等な関係で途上国支援へ

2018/10/24 2:00
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政府は約40年にわたり実施してきた中国への政府開発援助(ODA)を2018年度の新規案件を最後に打ち切る。対等な立場で開発協力の方法を話し合う枠組みを設け、途上国支援で連携を目指す。国内総生産(GDP)で世界2位の経済大国となった中国へのODAを疑問視する声はかねてあった。援助の出し手と受け手の関係から、対等な関係に切り替える。

1979年に当時の大平正芳首相が訪中し、ODAが始まった。78年に中国は外国の資本と技術を大胆に導入する改革開放を打ち出していた。80年代は円借款で鉄道や港湾、発電所といった大規模インフラを整備した。90年代は地下鉄や上下水道などに使われた。00年以降は環境保護や人材育成に軸足が移った。

06年に一般無償資金協力の新規案件をやめ、07年には新規の円借款を打ち切った。近年は大気汚染の防止や食品の安全確保の技術協力など日本国民の生活に直接影響する分野が中心だ。ハコモノ整備は地方の小学校や病院などに絞っている。

規模を縮小しながら続けてきたが、本来の趣旨である途上国援助にそぐわないと指摘されていた。河野太郎外相は23日の記者会見で「今の中国の経済レベルを考えれば必要ない」と述べた。

安倍晋三首相が26日の李克強(リー・クォーチャン)首相との北京での会談で終了を提案する見通し。新たに両政府で開発協力に関する対話の枠組みを設け、途上国のインフラ支援などで協力していく方法を話し合う。

握手する中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席(右)と安倍首相(9月12日、ロシア・ウラジオストク)=共同

握手する中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席(右)と安倍首相(9月12日、ロシア・ウラジオストク)=共同

日本は「自由で開かれたインド太平洋戦略」を掲げ、中国の広域経済圏構想「一帯一路」との協力を排除していない。中国の豊富な資金を生かして途上国を支援すれば日本企業の進出につながる可能性もある。かつて中国に資金援助をしてきた英国やドイツも最近は途上国支援で中国と協力する関係に変えている。日本のODA終了と新たな協力関係の模索もこの流れに沿う。

中国外務省の華春瑩副報道局長は23日の記者会見で「新たな情勢をにらみながら関連する対話と協力の継続について日本と話し合っていきたい」と述べ、新設する協力の枠組みに期待を示した。これまでの日本のODAを「中国の改革開放や経済建設にプラスの役割を発揮した」と評価した。中国のインターネット上では日本のODAに「感謝すべきだ」との声が上がる一方、戦後賠償を放棄したのは誤りだったとの書き込みもあった。

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