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今日も走ろう(鏑木毅)

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AIにないのは「強い思い」 試される総合力

2018/10/25 6:30
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人工知能(AI)社会の本格的な到来がいよいよらしい。AIの発達により産業構造が大きく変わり、今ある多くの仕事が機械により代替可能となる。以前から話には聞いていたが正直言ってあまりピンとこなかった。

だが街をジョギングすると確かに、コンビニの会計や会社の受付、路上での工事など、すぐに機械化できそうな仕事を多く目にする。さらに機械には難しいとされた企画的な仕事や長期的に展望を見据えて決定するような分野でさえこれからはAIのカバー範囲となるようだ。

レース並みに魂を込めて語らないと講演も機械に取って代わられるだろう

レース並みに魂を込めて語らないと講演も機械に取って代わられるだろう

現在ある仕事がある時点で劇的に変わるのではなく、すぐにでも代替が可能なもの、中長期的に変わるものと色分けされ、少しずつ社会の様相が変わるという。極論を言えば、世の仕事の多くはやがて人工知能にその地位を奪われてしまうらしい。私のように50歳を超える世代は、おそらくAI時代の到来に戸惑うことだろう。

人間の仕事の多くが人の手から離れていくAI社会。それでもAIで代替できない部分も何かあるはずだ。それはどんなことだろう。

まず思いつくのは人としての魅力を伝えるジャンルだ。人間にしかできないことや人間にしか表現できないもの。何も芸術だけに限ったことではない。例えば、AIにすぐに取って代わられそうな飲食業のジャンルでも、店主の人柄に引かれて客が集うような店であれば、どんな時代になろうとも客足が途絶えることはないはず。伝統的な工芸品や服飾品でも、手作業で作ったものはその作り手の思いがこもっており、大量生産したものより価格が高かろうと価値あるものとして購入する人々は存在する。

要するにAI時代は、人を感動させるような情熱やコミュニケーション力、そして人の心をつかむセンスなど、人間としての総合的な力が試される時代といえるのではないだろうか。

昭和を代表する創業者、松下幸之助さんは笑顔が素敵な愛嬌(あいきょう)のある方だったという。そしてその人柄に人々は魅せられてついていった。豊かな人間性はいつの時代も重要さは変わらない。

箱根駅伝を目指していた大学時代に指導していただいた瀬古利彦さん(現日本陸連マラソン強化戦略プロジェクトリーダー)はよく「いくら練習を積んでマラソンが速くなっても、結局自転車にも及ばない。でも見ている人はランナーの強い思いを感じるから感動する」と話していた。その言葉に改めて深い意味を感じる。

とにもかくにも時代の変革は静かに、確実にやってくる。常に備えの意識を持つ必要があると思うけれど、新時代の到来をいたずらに恐れる必要はない。小手先の知識に惑わされず、どんな時代も乗り越える「人間力」を磨くことが大切だ。

(プロトレイルランナー)

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