2018年11月14日(水)

河瀬直美さん、東京五輪公式映画の監督に就任

社会
2018/10/23 17:17
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2020年東京五輪・パラリンピック大会組織委員会は23日、東京五輪の公式映画監督に映画「殯(もがり)の森」などの作品で知られる河瀬直美さん(49)が就任したと発表した。五輪史上最多の33競技339種目で競われる大会を、準備段階から閉幕にわたって撮影。大会を記録し、レガシー(遺産)として後世に伝える役割を果たす。

2020年東京五輪の公式映画監督に就任し、記者会見する河瀬直美さん(23日午後、東京都港区)

2020年東京五輪の公式映画監督に就任し、記者会見する河瀬直美さん(23日午後、東京都港区)

この日、都内で記者会見した河瀬さんは「非常に大きなものをいただいた。等身大で自分ができることを全うしていきたい」と意気込みを語った。学生時代に打ち込んだバスケットボールから得た感動にも触れ「私が映画監督になったのはこのためなんじゃないか。運命のようなものも感じる」と感無量の表情を浮かべた。

組織委の武藤敏郎事務総長は河瀬さんの国際映画祭の実績や作品の芸術性、公式映画への考え方などを選定理由に挙げ「五輪の歴史に残る作品を撮っていただくことを期待する」と話した。

公式映画は大会閉幕後の21年春に完成予定で、その後、国内外で公開される。

五輪の公式映画は1912年のストックホルム五輪で初めて制作された。現在では国際オリンピック委員会(IOC)と開催都市との契約で制作が義務付けられ、冬季五輪を含め公式の記録映画が毎回制作されている。

制作に当たっては、IOCからは五輪の精神をたたえ、文化的な遺産となる作品が求められている。

五輪の公式映画については、過去にも有名監督がメガホンを取ってきた。大会の記録にとどまらず、芸術性の高い内容が高い評価を受けた作品も多い。

1964年、記録映画「東京オリンピック」の撮影でカメラのファインダーをのぞく市川崑監督(C)公益財団法人 日本オリンピック委員会

1964年、記録映画「東京オリンピック」の撮影でカメラのファインダーをのぞく市川崑監督(C)公益財団法人 日本オリンピック委員会

64年東京五輪の記録映画「東京オリンピック」では、生涯で70本以上の映画を残した市川崑監督が総監督を務めた。脚本づくりに詩人の谷川俊太郎さんらが参加。古いビルの解体工事から始まる作品は芸術性の高さから「記録か芸術か」との論議も呼んだが、映画館で全国2千万人に迫る観客動員数を誇る大ヒットとなった。

68年グルノーブル冬季五輪は叙情的なテーマ曲で知られる記録映画「白い恋人たち」をクロード・ルルーシュ監督が担当。72年札幌冬季五輪は「札幌オリンピック」を篠田正浩監督が手掛けた。

スポーツ記録映画の古典とされ、後世に影響を与えたのが、ヒトラー政権下の36年ベルリン五輪で撮られた「オリンピア」(「民族の祭典」「美の祭典」の2部作)だ。レニ・リーフェンシュタール監督が、短距離走の選手を映す移動用カメラなど当時の斬新な撮影技術を駆使し、ベネチア映画祭で金獅子賞を獲得した。

リーフェンシュタール監督は戦後、ナチスとの関わりが批判を受け、ドイツ映画界から追放された。

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