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豊島逸夫の金のつぶやき

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原油100ドル回避に動く舞台裏

2018/10/23 10:58
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米中間選挙直前に勃発したサウジ発の地政学的リスク。

市場は、本日発表予定とされるトルコ・エルドアン大統領の「事件の真相と物的証拠」が、いかなる内容なのか、測りきれず、身構えている。原油市場も「待ち」の姿勢で、緊張感漂う中、価格は小動きだ。

そもそも、トルコとサウジアラビアは西側につかず離れず、中東でのリーダーシップを競ってきた。それゆえ、今回のサウジ記者殺害事件は、トルコ・エルドアン大統領にとっては「千載一遇」のチャンスであろう。事件関連情報を小出しにリークして、「天が与えた切り札」を最大限利用している。その間サウジ側と米国側の反応を見守ってきたともいえよう。

トルコリラ暴落時には、エルドアン大統領の強権政治が中央銀行独立性維持の危機と批判された。しかし、今や国際世論の標的は、ムハンマド皇太子の強権政治にシフトした感がある。相次ぐジャーナリスト拘束で「最悪の看守」のレッテルを貼られたエルドアン大統領ゆえ、もっと悪い看守がいる、との本音も透ける。

それほどにトルコとサウジアラビアの関係が悪化した理由の一つに、「ムスリム同胞団」の存在が指摘される。「アラブの春」運動で革新的役割を果たした宗教・社会的集団だが、エジプトで軍により弾圧され一部過激派となり中東地域内に散った。サウジアラビアに移った流れをくむ一人がウサマ・ビンラディンだ。米国同時テロ事件の主犯がサウジ系人物とされ、同国は外交的危機に陥った。

対して、アラブの春は、その当時のトルコに、民主的国家のイメージを与えた。それゆえ、迫害されたムスリム同胞団には同情的態度で接した。

このような背景の中で、米紙ワシントン・ポストのコラムニストであったジャマル・カショギ氏は、親ムスリム同胞団の論調を貫いた。ここが、ムハンマド皇太子の逆鱗(げきりん)に触れたとされる。

サウジアラビアはエジプト・アラブ首長国連邦(UAE、除くカタール)の反ムスリム同胞団と3国で外交的トルコ包囲網を敷いた。今回の事件が、その一角を崩す千載一遇のチャンスとされるゆえんだ。中東のパワーバランスを変える可能性が市場でも注目されている。

「漁夫の利」を得る国はトルコだけではない。イラン、ロシアそして中国。

中国は、地域的政治経済不安が勃発すると「白馬の騎士」役を演じ、影響力を強めるのが常とう手段だ。中東地域は一帯一路の要衝でもある。

ロシアも後ろ盾となっているイランと、サウジ・米国連合との対決の構図が揺れる事態に、ほくそえむことだろう。

それゆえ、米国側も、サウジアラビアを見切り難い。経済制裁を科せば、原油100ドルが絵空事ではなくなるので、トランプ政権にとっても受け入れがたい。今や市場で原油価格がVIX同様に不安係数とも見られる。

今回の米側の交渉キーパーソンはトランプ大統領の娘婿クシュナー上級顧問だ。ムハンマド皇太子とは同じ30代で意気投合した仲という。今回の事件発覚後も電話で話したとされる。経済制裁のカードをちらつかせつつ、サウジアラビア側と妥協点を探る、とのシナリオがウォール街には流れる。イラン経済制裁発動と中間選挙が迫るなかで、ギリギリの交渉が進行中だ。

豊島逸夫(としま・いつお)
 豊島&アソシエイツ代表。一橋大学経済学部卒(国際経済専攻)。三菱銀行(現・三菱UFJ銀行)入行後、スイス銀行にて国際金融業務に配属され外国為替貴金属ディーラー。チューリヒ、NYでの豊富な相場体験とヘッジファンド・欧米年金などの幅広いネットワークをもとに、独立系の立場から自由に分かりやすく経済市場動向を説く。株式・債券・外為・商品を総合的にカバー。日経マネー「豊島逸夫の世界経済の深層真理」を連載。
・公式サイト(www.toshimajibu.org)
・ブルームバーグ情報提供社コードGLD(Toshima&Associates)
・ツイッター@jefftoshima
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