2018年11月15日(木)

フェイスブック行政指導 情報流出対策を促す

ネット・IT
2018/10/23 0:06
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米フェイスブックによる「いいね」ボタンを使ったデータ収集や、ハッキング被害による個人情報流出問題で、日本政府の個人情報保護委員会は22日、同社に利用者への説明や再発防止などを求める行政指導をしたと発表した。米IT(情報技術)大手のデータ管理を巡っては欧州当局が規制を強めてきたが、日本政府の厳しい姿勢も目立ち始めている。

同委員会は個人情報保護法を所管し、2016年1月に設置された。公正取引委員会などと同じく、独立して権限を使える「三条委員会」だ。

今回、フェイスブックに出した指導は、法律違反とまで言えない案件で、法律の趣旨を守らせるために取る措置。同委員会は立ち入り調査や勧告・命令の権限を持つが、海外法人に対して取れるのは勧告まで。命令違反に対する罰金などは適用できない。

フェイスブックには3つの案件で指導した。まずニュースサイトや企業のホームページなどに埋め込まれた「いいね」ボタンの運用を問題視した。

「ソーシャルプラグイン」と呼ばれる仕組みで、ボタンが組み込まれたページを訪れると、ボタンを押さなくても利用者の閲覧履歴などのデータがフェイスブック側に自動送信される。個人情報保護委は、フェイスブックがこれまでにとった規約の変更などだけでは、自動送信の仕組みを一般の利用者が十分に認識しているとは言いがたいと指摘した。

個人情報保護委員会は「いいね」ボタンを通じたデータ収集などを問題視した(米カリフォルニア州のフェイスブック本社)=ロイター

個人情報保護委員会は「いいね」ボタンを通じたデータ収集などを問題視した(米カリフォルニア州のフェイスブック本社)=ロイター

同委員会は今年3月にも、ボタンを設置したサイト運営会社やネット利用者に注意喚起していたが、今回はデータが行き着く先であるフェイスブックにも説明責任があることを明確にした。LINEなども同じ仕組みを持つが、フェイスブックだけ指導した理由は「実名登録が原則で、個人情報に結びつく可能性が高いため」と説明した。

2つ目はケンブリッジ大学の研究者が、フェイスブックを使ったアプリを通じて入手した最大8700万人分のデータを分析会社に横流しした問題への対応だ。同委員会は、第三者が作ったアプリについても監視を徹底することなどを求めた。

9月にフェイスブックが発表したハッキング被害への対応についても指導した。これまで約2900万人分の個人情報が不正アクセスを受け、日本人も被害にあった可能性がある。被害を受けた本人に通知をしたうえで、原因究明と再発防止策を同委員会に報告するよう指示した。この問題を巡っては欧米当局が調査や捜査を続けている。

フェイスブック日本法人は22日、「指導を踏まえ、引き続き(プライバシー保護に)注力する」とのコメントを発表したが、具体策についてはこれまで明らかにした対策の繰り返しにとどめた。

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