2018年11月16日(金)

「ロボの未来」議論白熱、ワールドロボットサミットが閉幕

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2018/10/23 7:00
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経済産業省と新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が主催したロボットの新イベント「ワールドロボットサミット2018」が閉幕した。世界のロボット専門家が東京に集まり、ロボットをテーマに講演。トヨタ自動車フェローのギル・プラット氏やカーネギーメロン大の金出武雄教授らは「ロボットの未来」を展望した。

トヨタフェローのギル・プラット氏は「AIは衰退期に入っていない」と強調した(20日、都内)

コンビニ向けロボット部門、商品の陳列・廃棄を競う種目では東芝と名城大学チームのロボットが優勝を飾った(20日、都内)

「人工知能(AI)は果たして衰退期(Winter=冬)を迎えるのか? 」。プラット氏の講演はこんな問いかけから始まった。

トヨタではAI研究を主導するトヨタ・リサーチ・インスティテュート(TRI)の最高経営責任者(CEO)も兼務する。AIが衰退し始めたという観測には「ムーアの法則が限界を迎えつつあるようにAIも冬へ向かうと言われるが、NOだ」と強調した。

「ディープラーニング(深層学習)」と「クラウドロボティクス」を約5億4千万年前の「カンブリア爆発」と呼ばれる生物の大進化を引き合いに解説。「生物は目を持って指数関数的に進化した。テクノロジーでは深層学習がコンピューターに視覚を与えた」と与えるインパクトの大きさを力説していた。

クラウドロボティクスではクラウドを介してロボット同士が同時並行で学習する。ロボットは1000人分の会話を同時に聞き取る。「ロボット同士が相互に学び合うクラウドロボティクスが革新的な進化を促す」

一方、ロボット工学とAIの権威で知られる金出教授は「人が望むことをプラス・マイナスでずらしてコントロールできればすごいロボットになる」。ヒトは自分でできることを自分でするときに最も幸福を感じる。「(ロボットには)自分ができないことだけを助けて欲しい」と求めた。

「ビヘイビア(行動)・イメージング」と呼ぶ最新の研究では、人のポーズからどんな行動をしようとしているかを認識できる。「顔の表情や声、タイミングを研究する必要がある」という。

アイロボットコーポレーションテクノロジー部門のクリス・ジョーンズ副社長は「ロボットはハードウエアよりもソフトウエア投資がより拡大する」と訴えた。アイロボットは2013年にソフトエンジニア比率が8人に1人だったが「18年には3人に1人に比率が上がった」という。

世界23の国と地域から計126チームが集まって争われたロボット競技会「ワールドロボットチャレンジ」で最も注目を集めたのは、コンビニ向けのロボット開発を競う「フューチャーコンビニエンスストアチャレンジ」。23チームのロボットが接客やトイレ掃除などの業務で競った。「陳列・廃棄タスク」ではセブンイレブンで実際に販売するサンドイッチや弁当を使用。棚に並べ、期限切れの商品を捨てるといった作業を自動運転のロボットが素早く正確にこなせるかが争われた。

激戦を制したのは東芝と名城大のチーム。東芝の山本大介研究開発センター機械・システムラボラトリー主任研究員は「物流向けロボットを簡単に作れるようにすることをコンセプトに開発した」。ロボットハンドとして指型と吸着装置型の2種類を開発するなど「商品により使い分けられるようにした」(山本主任研究員)工夫が光った。(星正道)

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