2019年8月20日(火)

それでも消えぬ消費増税延期説(大機小機)

2018/10/22 16:30
保存
共有
印刷
その他

2%のポイント還元からプレミアム商品券まで、来年10月の消費税増税への対策がかまびすしい。

安倍晋三首相が「必ず引き上げる」と言っても、世間は「二度あることは三度ある」とばかりに信用しない。「どうして信用されないのかな」と安倍氏自身がぼやき、出てきたのが臨時閣議での「増税宣言」と数々の対策案だ。首相の意を踏まえた経産省出身の官僚たちが大号令をかけ、今回こそは何としても増税を実現したい財務省が唯々諾々と従っているのが、増税対策が百花繚乱(りょうらん)となる背景にある。

今回が「三度目の正直」になるだろうというのは、政治的には極めてシンプルな事実に基づいている。それは安倍氏が昨年の衆院解散・総選挙で「消費税を引き上げる」と公約したことだ。

政治家、とりわけ宰相にとって公約は、はたからみるよりはるかに重い。安倍氏は教育無償化の財源に消費税引き上げ分を使うと約束し、今年9月の自民党総裁選でも消費税を上げると繰り返して3選した。

2年前の参院選と比べてみればよい。2016年6月、安倍氏は「内需を腰折れさせかねない消費税率の引き上げは延期すべきであると判断した」と述べて勝利した。この時は「延期」が公約だったのである。

とすれば、昨年の衆院選での公約通り、来年10月に安倍氏が消費税率を上げるのは当然でもある。

それでは「二度あることは三度ある」は完全になくなったのか。これを読み解くカギも「公約」にある。

消費税引き上げを3たび延期するとなれば増税分を盛り込んだ来年度予算案は財源が足りない。補正予算で手当てする必要があるがこれは重大な公約違反になる。突破する方法はひとつしかない。19年夏の参院選にあわせて衆院を解散して信を問う、ダブル選挙だ。

来年の通常国会は1月4日召集説がささやかれる。早く召集すれば複数の参院選日程を検討できるからだが、政官界の一部は「同日選にらみか」と身構える。苦戦が予想される参院選を有利に運ぶには、野党をひとつにまとめないことが大事になる。衆参同一選挙なら野党は分断される。

それでも消えない「3度目の消費増税延期」説。永田町は魑魅魍魎(ちみもうりょう)だ。

(弦楽)

保存
共有
印刷
その他

関連キーワード

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報

新しい日経電子版のお知らせ

より使いやすく、よりビジュアルに!日経電子版はデザインやページ構成を全面的に見直します。まず新たなトップページをご覧いただけます。

※もとの電子版にもすぐ戻れます。