トルコ大統領「23日に声明」 サウジ人記者死亡で
【イスタンブール=佐野彰洋】サウジアラビア政府に批判的だった同国人記者ジャマル・カショギ氏の死亡をめぐり、トルコのエルドアン大統領は21日、「真実を明らかにする。火曜日(23日)に声明を出す」と述べた。トルコ当局は最大都市イスタンブールのサウジ総領事館でカショギ氏が殺害されたとみて捜査を進めている。

トルコの国営アナトリア通信によると、トランプ米大統領とエルドアン氏は21日に電話で協議し、カショギ氏死亡事件の全容解明が必要との考えで一致した。
ロイター通信によるとサウジの匿名当局者は21日までに、カショギ氏が拳によるけんかで死亡したという20日の説明を修正し、死因は「大声をあげたカショギ氏を容疑者が黙らせようと首を絞めた結果」とした。当初はカショギ氏は立ち去ったと主張。殺害説を「根拠がない」と強く否定していた。
二転三転するサウジの説明を国際社会は疑問視しており、真相究明を求める声が強まっている。サウジを擁護してきたトランプ氏は20日、サウジ当局の説明に「ごまかしやうそがあった」と不満を示した。ムニューシン米財務長官も21日「十分ではない」と述べたが、対サウジ制裁の可能性については「コメントするのは時期尚早だ」と慎重な姿勢を崩していない。
エルドアン氏は23日に「詳細な」説明をする意向を示しており、サウジに真相を明らかにするよう促した可能性もある。