2019年5月26日(日)

KYB不正 東洋ゴム製交換の庁舎「まさかまた…」

2018/10/19 21:44
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油圧機器メーカーKYBによる免震・制振装置の検査データ改ざん問題で、2015年に発覚した東洋ゴム工業の免震装置の性能偽装でも被害に遭っていた公共施設があることが判明した。三重や高知の自治体庁舎など少なくとも3施設で、東洋ゴム製の装置の交換を始めたばかりのケースもある。施設の担当者らは「国を挙げて検査体制を見直すべきだ」と訴える。

KYB製免震装置が導入されている三重県の伊勢庁舎(19日、伊勢市)=県提供

KYB製免震装置が導入されている三重県の伊勢庁舎(19日、伊勢市)=県提供

「また同じ被害に遭うとは想像もしなかった」。三重県営繕課の担当者はため息をつく。同県の伊勢庁舎(伊勢市)は、性能偽装された東洋ゴムの免震装置の使用が15年に判明。今回KYBの免震オイルダンパー8本でもデータ改ざんの疑いが明らかになった。

同県は東洋ゴム製の免震装置を1年かけて取り換え、17年8月に工事を終えた。再び同様の問題が発生したことについて、担当者は「県民が足を運ぶ場所。一刻も早く不安を解消できるよう交換の必要性を検討したい」と説明。「国による検査立ち会い制度の導入などを考えてほしい」と注文をつけた。

東洋ゴムの一連の問題では性能不足の製品約2900基が全国154棟に納入されていたことが発覚。大阪地検特捜部が不正競争防止法違反罪で同社子会社を起訴し、罰金刑が確定した。

18年4月に東洋ゴム製の免震装置の交換作業に着手したばかりの高知県警南国署(同県南国市)でも、データ改ざんの疑いのあるKYBの免震オイルダンパー8本が新たに見つかった。

容疑者を収容する留置施設のある警察署だけに、耐震性の確保が欠かせない。県警装備施設課の担当者は「交換や補修となれば、また長い時間がかかる。いつ大地震が起きるか分からないので、住民も不安を感じるだろう」と肩を落とす。

同じくデータ改ざんされた疑いのある免震オイルダンパー28本が使われていた長野市の市役所第1庁舎・芸術館も、東洋ゴムの免震装置の性能偽装が発覚し、90基を16年3月までに交換した。担当者は「こうした事態は二度と起こさないでほしい」と憤った。

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