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サウジ記者殺害疑惑、強まる皇太子関与説 米報道

【イスタンブール=佐野彰洋】サウジアラビア政府を批判してきた著名記者がトルコで殺害された疑惑で、サウジのムハンマド皇太子の関与説が強まっている。トルコや米国メディアは容疑者の一団に皇太子の護衛らが加わっていたことなどを相次いで報じた。トルコやサウジによる捜査結果は近く公表される見通しで、サウジとの協力関係を続けてきた米政府の対応が焦点となる。

トランプ米大統領は18日、「(記者が死亡したのは)確実なようだ」と記者団に述べた。一方、トルコのチャブシオール外相は19日に「誰が責任を負うべきかの情報と証拠を持っている」と表明。そのうえで捜査結果が明確になった段階で公表する考えを示した。

サウジ人記者のジャマル・カショギ氏は2日、トルコの最大都市イスタンブールのサウジ総領事館を訪れ、消息を絶った。トルコや米国のメディアはトルコ当局の情報を基に、カショギ氏が館内に入ってすぐに殴打され、薬物を投与のうえ殺害されたと報じている。

トルコ捜査当局は19日までに事件当日に総領事館などを出た車が立ち寄ったとみられるイスタンブール北郊の森などへと捜査対象を拡大した。切断された遺体が遺棄された可能性があるとみている。地元紙が報じた。

米紙ニューヨーク・タイムズは17日、サウジの実権を握るムハンマド皇太子が事件に関与した可能性が高いとの見方を米情報機関が強めていると報じた。

根拠のひとつとなっているのが、トルコ当局が内外のメディアを通じて明らかにした15人の容疑者の顔ぶれや足取りだ。

米紙ワシントン・ポストは、15人中12人がサウジ治安当局と関係があると報じた。トルコメディアも軍や王室直属の警護隊のメンバーだと報じている。容疑者にはサウジ内務省の高官である法医学の専門家も含まれ、遺体の切断を前提とした人選だったとの見方も浮上している。

トルコ紙サバハが報じた監視カメラの記録には、皇太子の訪米や訪欧に付き添っていた護衛役とみられる男が事件当日、総領事館や総領事公邸を出入りする姿が捉えられていた。

カショギ氏は2017年から弾圧を恐れ、米国で事実上の亡命生活を送っていた。結婚に必要な書類を取得するため、カショギ氏が最初に総領事館を訪れたのは9月28日。この日は書類を受け取れず、10月2日午後1時に再訪するよう求められていた。容疑者が分乗したプライベートジェット2機のうち、1機がイスタンブールに到着したのが2日早朝だった。

積み上がった一連の証拠から、皇太子の関知なしにこれだけの大がかりな作戦を実行することは難しいとの見方が広がっている。サウジを非難する国際世論の高まりを受け、米欧の高官や金融機関トップは23日からリヤドで始まる大規模な投資会議への欠席を相次ぎ表明した。

ニューヨーク・タイムズは18日、皇太子の側近で情報機関ナンバー2のアフメド・アシリ少将に事件の責任を負わせる形で事態収拾を図ることを、サウジ指導部が検討していると報じた。これまで取り沙汰されてきた「尋問中に誤って死亡した」との説明では非難をかわせないとの判断が働いている可能性がある。

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