2019年9月19日(木)

博士活用で関西発イノベーション 3大学シンポ

2018/10/19 19:48
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日本経済新聞社と日本経済研究センターが主催する「関西経済人・エコノミスト会議」は19日、京都、大阪、神戸の3大学の学長らを招いたシンポジウムを大阪市内で開いた。産業界からは日本電産の吉本浩之社長が出席した。イノベーション(技術革新)人材の創出や産学連携のあり方などを議論した。(詳報を11月の特集面に)

討論する(手前から)日本電産の吉本浩之社長、京都大学の山極寿一総長、大阪大学の西尾章治郎総長、神戸大学の武田広学長(19日、大阪市北区)

討論する(手前から)日本電産の吉本浩之社長、京都大学の山極寿一総長、大阪大学の西尾章治郎総長、神戸大学の武田広学長(19日、大阪市北区)

テーマは「企業が求めるイノベーション人材と大学連携」。吉本社長と京大の山極寿一総長、阪大の西尾章治郎総長、神戸大の武田広学長がパネリストを務めた。司会は日本経済新聞社の品田卓・大阪本社編集局長。シンポジウムには大学や企業の関係者ら約500人が参加した。

吉本社長はグローバル企業が求めるイノベーション人材の要件として、「一般教養を含めて幅広い視野を持つ。分野や国籍に関係なく多様性を受け入れられる」などを挙げた。山極総長は企業に対し「インターンシップを拡充し、企業と大学が高度な人材育成をする必要がある」と要望した。

西尾総長は「大学は博士人材を輩出している。企業に生かしてほしい」と求め、武田学長も「博士人材を一定割合、採用してもらいたい」と訴えた。これに対し吉本社長は「博士の採用は見直す方針だ」と応じた。博士人材は大卒と同じ扱いではなく、即戦力の社会人採用に準じる形式を考えているという。

インターンシップのあり方も議論した。吉本社長は「通常の期間は2~3週間。半年や1年のものもあっていい。契約社員という形態で給与を出すことも選択肢だ」と述べた。西尾総長は「インターンを通じて、学生も現場で能力を開花させるという意識を持つ必要がある」と指摘した。

山極総長は日本と欧州などで採用の仕組みが違うことに触れた。「(日本の)新卒一括採用がネックだ。能力こそが重要で、いろいろな企業を渡り歩いて能力を高めるというマインドを産学が協力してつくっていくべきだ」と強調した。

経団連は就職・採用活動の面接解禁日などを定めた指針を、2021年春入社の学生から廃止すると決めた。武田学長は現在の指針がなくなると「学生がかなり浮足立ってしまう。本来は学業を終えてから就職活動をするのが理想だ」と述べた。

山極総長は「学歴ブランドが採用をゆがめている。大学は取得した単位ではなく、身につけた能力を証明する方式にすべきだ」と強調した。吉本社長は「偏差値などのブランドで評価するのは改めないといけない。日本電産では、卒業した学校と入社後の実績に相関がないというデータも出ている」と語った。

関西のイノベーション力を底上げする方策について、山極総長は地域の行政や中小企業も大学と連携することが重要だと指摘。そのうえで「(関西は)地域の特性を生かしてやってきた。東京都を見習ってはいけない」と話した。西尾総長は「関西は古くから日本のウオーターフロント。産業や大学の集積などに潜在力がある。産業界は未来の視野に立った投資をしてほしい」と要望した。

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