TWICEの強さ 急成長パフォーマンスと個々のファン
韓国、日本、そしてアジアの音楽界で一大ムーブメントを起こし続けている女性9人組のTWICE。「TTポーズ」に代表される、誰でもまねしやすいキャッチーな振りを持つダンスチューンを武器に、2017年6月の日本デビューから快進撃を続ける。

TWICEの躍進ぶりは様々なデータや数字にも表れている。女子中高生から人気に火が付いたこともあり、17年度の「JC・JK流行語大賞」の「ヒト部門」では、昨年ブレイクした俳優・竹内涼真を抑えて1位にランクイン。
CDセールスにYouTubeの再生回数、ツイッターの影響力などを合算した複合チャートの、ビルボードジャパン「トップアーティストランキング2017」では、星野源、欅坂46に続いて、3位に入った。
もちろんCDの売り上げでも数々の記録を生んでいる。18年5月発売の最新シングル『Wake Me Up』は初週20万枚を突破し、海外アーティストとしては初めて「1stシングルからの3作連続初週売上20万枚突破」を達成した。
18年に入ってからはライブをする機会も増え、パフォーマンスの進化も著しい。17年7月、日本で初めて行ったショーケースライブの時は、たった1年でここまでの成長を見ることになろうとは、正直想像していなかった。
15年の韓国でのデビュー後、様々な記録を打ち立て、音楽賞も総なめにしていた彼女たちについたキャッチフレーズは「アジアNo.1ガールズグループ」。しかし1年前、東京で見たショーケースライブでの表情はどこか硬かった。「アジアNo.1」は日本でもNo.1にならなければならない――グループが背負うそんなプレッシャーや緊張が漂うパフォーマンスだった。
18年5月。海外ツアーの日本公演として開催されたさいたまスーパーアリーナでは、見違えるような9人がいた。目まぐるしく変わるフォーメーション、圧巻の歌唱力、客席至近距離でのパフォーマンス…。MCでは韓国語を話すメンバーの通訳を、日本人メンバーのモモ、サナ、ミナが務め、チームワーク力が見えるのも楽しい。堂々としたオーラに支えられたステージングが、観客の熱度をさらに上げていたことは言うまでもない。
同時に驚いたのは、すでにメンバー個々に熱心なファンがついていることだ。一般的にグループのブレイクは、特定のメンバーの人気が支えているケースが多い。しかしTWICEのライブ会場では様々なメンバーのうちわが振られ、掛け声が飛び交っている。1年でここまでバランスよくファンを獲得できているのは、グループの強みと言っていいだろう。
(ライター 中桐基善)
[日経エンタテインメント! 2018年10月号の記事を再構成]
※11月2日(金)から11月10日(土)まで日替わりでメンバー9人の個別インタビューを掲載します。11月2日(金)はナヨンです。
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
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