2019年5月26日(日)

KYB、財務省など免震不正70物件公表

2018/10/19 16:46
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油圧機器メーカーのKYBは19日、国の認定などに適合しない免震装置を出荷していた問題で、データ改ざんの疑いのある製品を設置した物件名の一部を公表した。24都道府県の70件で、財務省や内閣府、大阪府などの庁舎を含む。不特定多数の人が訪れる施設だけに改修作業は長期に渡る可能性がある。

「まずは多くの方が使うであろう公共施設の公表になる。このような不適切行為を起こして申し訳ありません」

19日、東京都内で開いた記者会見でKYBの斎藤圭介専務執行役員は頭を下げた。「相手先の合意を取り付けた」という公共施設などを中心に公表した。

内閣府や国土交通省、財務省、気象庁など国の庁舎や大阪府庁本館など地方自治体の庁舎、東京消防庁の豊洲出張所、大阪府警察学校など安全を守る施設も含まれていた。

改ざんの疑いのある製品は全国でマンションなど987件に設置したといい、今回公表した物件名は全体の7%にすぎない。

KYBを巡っては8月上旬に子会社の検査員が内部告発して問題が発覚。2カ月間の社内調査後、今月16日に性能検査データの改ざんを公表した。基準を満たさない製品を設置した建物は、地震の時に揺れが伝わりやすくなり、大きく揺れる可能性がある。

KYBは「すべての製品を交換する方針」としているが、子会社のカヤバシステムマシナリー(東京・港)の生産能力は月産100本程度だ。当面は新規受注を取りやめ、19年には5倍の500本にして、20年9月の交換工事の完了を目指している。ダンパーの取り外し交換で壁の一部を壊すなど、物件オーナーなどとの交渉も必要で長期化は避けられない。

補償問題は深刻だ。15年に免震偽装が発覚した東洋ゴム工業は15年12月期からの特別損失は累計で1400億円を超える。同じ年に子会社でくい打ち工事のデータ改ざんが見つかった旭化成は16年3月期に不正の調査費用など14億円を特損として計上している。

KYBの18年3月期の連結売上高は3923億円、純利益は152億円、自己資本は1800億円だった。改修工事の件数は現時点で東洋ゴムの6倍以上にのぼる見通しだ。製品価格や工事手法が違うため単純比較はできないが、補償費用は多額になる可能性がある。

KYBは随時、物件名を公表するとしているが、国民の日常生活にも影響を及ぼしかねない製品であるだけに、丁寧な対応が求められる。(浅山亮)

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