サウジ人記者の死亡 トランプ氏「認めざるを得ない」
【ワシントン=中村亮】トランプ米大統領は18日、米紙ニューヨーク・タイムズとのインタビューで、サウジアラビア政府に批判的な著名記者が行方不明になっていることに関して「よほどの奇跡が起きないと死んだと認めざるを得ないだろう」と述べ、死亡した可能性が高いとの見方を示した。トランプ政権はサウジやトルコ当局の捜査結果を踏まえ、サウジへの対応を近く決める見通しだ。
トランプ氏は同日、メリーランド州の空軍基地でも記者団にサウジ人記者が死亡した可能性があると指摘。サウジ政府の関与が明らかになれば「とても厳しい措置」を科す考えを改めて示した。サウジ人記者のジャマル・カショギ氏は2日にトルコ・イスタンブールのサウジ総領事館に入ったのを最後に消息を絶っている。
米政府関係者が公式にカショギ氏が死亡した可能性があると言及したのは初めてとみられる。米メディアなどはカショギ氏が総領事館に入ってすぐに殴打されて薬物を投与された後に殺害されたと報じていた。
トランプ氏は米紙のインタビューなどに先立って、ポンペオ国務長官とホワイトハウスで面会した。ポンペオ氏はサウジとトルコへの訪問結果を報告。ポンペオ氏は面会後、記者団に「さらに数日間の調査をサウジ当局に認めるべきだと進言した」と明らかにした。捜査終了後に「本当に正確で公平かつ透明性の高いものなのかを判断する」と説明した。
一方でポンペオ氏は「米国はサウジと長年にわたる戦略的関係があることは心にとめておくべきだ」とも強調した。「サウジはテロ撲滅に向けた重要なパートナーであり続ける」と語り、決定的な関係悪化は避けたい考えを示した。
米紙ワシントン・ポストは18日、トランプ氏は最近数日間に良好な米・サウジ関係を維持したいとの意向を周辺に話したと報じた。サウジは対米投資が多く、原油取引でも関係が深いことを理由にあげたという。