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男子ゴルフのファン獲得、なお道険し

ゴルフジャーナリスト 地平達郎

秋のゴルフシーズンたけなわの9月最終週に千葉カントリークラブ野田コースで日本女子オープンが、1週おいて神奈川県の横浜カントリークラブで日本オープンと、珍しく首都圏でたて続けにビッグトーナメントが行われた。ゴルファーにとって最高の舞台で、憧れのタイトル。ファンが国内でいちばん関心を持つ大会でもある。

台風でも男子上回った日本女子OP

ほぼ同時に開催された女子と男子のナショナルオープン。何かと話題になっている人気の差、ギャラリー数、ひいては試合数の違いなど、その原因の一端がうかがえた。

まずは日本女子オープン。期間中に大型台風24号が接近し、2日目を除いて雨が降り、最終日は開催が危ぶまれるほどだった。そんな悪条件の中で、主催の日本ゴルフ協会(JGA)が発表したギャラリー数は4日間で2万5502人。特に3連覇をねらう畑岡奈紗が2日目にベストスコアの66をマークして2位に急浮上した翌3日目には、4日間で最高の9708人がつめかけた。最終日の天気予報が違っていたら、もっと増えていただろう。

一方の男子。日本オープンは4日間とも曇り。時折日も差すまずまずのコンディションで、4日間の総ギャラリー数は2万1142人で、最終日の8011人が最高だった。

単純比較では女子が4360人多かった。しかし、大会を通しての天候の違い、都心からの距離などの条件も考え合わせると、その差はさらに大きいと感じられた。

女子オープンの会場は、ひとことで表せば「華やか」であった。出場しているのが女子ゴルファーということだけではない。ギャラリーたちが何となくワサワサしていて、コース全体にお祭りにも似た、人を楽しませる雰囲気があるのだ。

ギャラリーと選手の距離の近さ

その理由のひとつが、ギャラリーと選手の距離が近いことである。スタートホールでの選手紹介の際、ほとんどの選手はファンの拍手、声援に会釈して笑顔で応える。ラウンド後にサインを頼まれれば、立ち止まってペンを走らせる。

クラブハウス前で、その縮図とも思える光景があった。ギャラリーがハウス内に立ち入らないようにポールでつくられたフェンスがあるが、ちょうどそれがファンと選手の「ミックスゾーン」のような接触の場となる。

雨の中、色紙やゴルフボールを手にしたギャラリーが、サインをもらおうと傘をさして列をなす。選手たちも嫌がらず、これに応える。わざわざ「サイン会」と銘打ってやるのではなく、選手たち一人ひとりの心遣いが、結果として大きな成果につながっている。

残念ながら、男子にここまでの配慮は感じられなかった。そんな中で、アダム・スコット(豪州)の気配りが目立った。パットで悩み、今回も6オーバーで50位タイと、満足できるゴルフではなかったろうが、ラウンド後は毎日、並んで待つ全員にサインをしていた。

試合数の減少に歯止めがかからない男子ツアー。人気回復の道は険しいといわざるを得ない厳しい状況の中で、光明を見い出すとすれば、若手の台頭である。

今シーズン、日本オープンまで国内で15試合が行われ、日本オープンで初タイトルを手にした稲森佑貴(24)をはじめ、20歳代(優勝時)のプロが6人で7勝を手にした。残る8試合のうち、外国人選手が5勝で、30歳以上の日本人プロは3人だけである。

高額賞金の大会が行われるシーズン終盤もこの傾向が続けば、男子ゴルフ界に新しい時代がやってくる。できることなら彼らに、プレーだけではなく、ファンサービスも身に着けた、客を呼べるプロフェッショナルになってもらいたい。

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