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米、日中の為替監視維持 中国「操作国」指定は見送り

【ワシントン=河浪武史】米財務省は17日、貿易相手国の通貨政策を分析した半期為替報告書を公表し、日本や中国など6カ国を引き続き「監視リスト」に指定した。同リストは相手国の通貨安誘導を抑える狙いがある。貿易戦争を繰り広げる中国を、経済制裁に道を開く「為替操作国」と指定するのは見送ったが、報告書は「6カ月かけて再審査する」と同国へのけん制を強めている。

米財務省は日本と中国のほか、韓国、ドイツ、スイス、インドの4カ国を通貨政策の監視リストの対象とした。リストは(1)対米貿易黒字(2)経常黒字(3)一方的な自国通貨売り介入――の3条件で判断する。日本は(1)と(2)で条件に抵触した。

報告書では日本に対して「巨大な貿易不均衡を引き続き懸念している」と表明した。円相場は「2013年以来、歴史的な安値圏で推移している」と指摘し、長期にわたる円安に強い懸念を表明した。ただ、足元の動向は「対ドルでは今年9月末時点で前年比0.7%下落したが、比較的安定している」との評価を下した。

報告書では「日本は7年にわたって為替介入をしていない」と認めた。ただ、ムニューシン財務長官は日本との貿易交渉で、通貨安誘導を封じる為替条項の導入を求めると表明している。為替条項を貿易協定に加えれば、投機的な円買いなどに通貨当局が機敏に対処しにくくなる懸念がある。

トランプ大統領は貿易戦争で関係が悪化する中国を「為替操作国だ」と批判しているが、今回の報告書で同国を「操作国」と指定するのは見送った。操作国に指定すれば、米法制度上、追加関税などの対中経済制裁がさらに重くなる可能性があった。報告書では「中国の通貨政策は透明性を欠くが、18年の中国人民銀による直接的な介入は限定的だ」として、強硬措置を回避した。

ただ、人民元相場は「6月以降で対ドルで7%強も下落した」と指摘し、中国の対米貿易黒字が「さらに膨らむ可能性がある」と批判した。そのため為替操作国の指定は「今後6カ月かけて再審査する」と改めて警告し、中国人民銀と為替相場を巡って協議する方針も明記した。

中国は1年間の対米貿易黒字が3900億ドルと巨額だが、米財務省が監視リストに入れる条件とする経常黒字の比率や為替介入の実績は他国に比べて大きくない。それでも米財務省は中国の通貨政策への批判を強めており、貿易問題が通貨摩擦に発展する懸念がある。

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