「騎士団長殺し」期待外れ 村上さん作品に米紙書評
【ニューヨーク=共同】米紙ニューヨーク・タイムズ電子版は16日、米国で9日に英語版が出版された村上春樹さんの長編小説「騎士団長殺し」について「ずっと良い作品を残してきた作家の小説としては期待外れだった」との辛口の書評を掲載した。
書評を執筆した英国出身の作家ハリ・クンズル氏は、同小説について「あまりに長すぎる、生焼けの超自然の物語」と表現。300~400ページで収まる内容なのに700ページ程度に引き伸ばされた印象があり「だぶだぶのモンスター」のように感じたという。
小説に登場する主人公の妻ら女性について読者は多くを知ることができず、語り手が描写するモーツァルトやベートーベンらの音楽の評価は印象的ではなく「(インターネット上の)オンラインの批評のようだ」と指摘した。
同小説の主人公は肖像画家。妻から突然別れを告げられ、放浪の末に山の上にある家に住み着く。かつてそこに暮らした日本画家による「騎士団長殺し」という題の絵を見つけてから、周囲で奇妙な現象が起こる。
〔共同〕
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