2019年3月20日(水)

個人ローン営業にAI活用、中国銀が本格運用
契約可能性を素早くランキング化

2018/10/16 6:00
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中国銀行は個人向けローン商品の営業で、人工知能(AI)の本格活用を始めた。電話営業で使う顧客データを分析し、ローンを利用する可能性の観点からランキング形式で素早くリスト化。毎日最新の情報を反映させることで、融資の契約に結び付くヒット率の向上につなげる。商品の認知度アップのほか、業務効率の改善を進める狙いもある。

「ライフプランサポート活動」と称してリテールを強化している(岡山市の中国銀本店)

まず、用途を特定しないフリーローン商品を対象に採用した。住所変更や利用実績といった属性をベースに、岡山市など2カ所のコールセンターから電話営業をかけている。AIの活用で、例えば定期預金の解約の動きを「急な出費が必要になっている」と判断。過去の類似する取引データと照らし合わせて、ローンの利用可能性で上位に位置付けて営業をかける。

従来は担当者が仮説に基づいて手作業で分析していたため、営業対象者リストの更新には1週間から1カ月程度かかっていた。AIの導入で省力化に加えて情報の毎日更新が可能になり、営業機会のロスの削減につながる。電話営業後に実際に融資契約に結びついたかどうかの結果を反映・蓄積することで、資金ニーズについての判断の精度も高まるとしている。

2017年7月から試験的に導入し、18年8月末までの間で融資金額の残高は前年同期に比べて3倍に増加した。フリーローンの利用は引っ越しや就職などで生活環境が変わる2月から3月にかけてが最も多く、今年の同期間の融資実行件数は前年比で2.2倍になったという。効果的に機能することが立証されたとして、このほど本格活用に踏み切った。

マイナス金利政策で収益環境が厳しい中、中国銀も「ライフプランサポート活動」などリテール(個人)部門を強化している。ローン商品に関しては、従来は窓口や渉外担当者が飛び込みで営業する形だったが、「ネット広告や携帯電話のショートメッセージを活用してコストダウンやヒット率向上につなげている」(営業統括部の桑田耕一担当部長)という。

今後は預かり資産商品の選定や自動応答システム(チャットボット)を活用した24時間の顧客対応など、AIの適用範囲の拡充に向けた研究や検討も進めていくとしている。中国地方の地銀ではAIの活用が徐々に進んでおり、広島銀行が17年から融資審査モデルの構築に着手。来春をメドに小規模事業者を対象とした融資商品の取り扱いを始める予定だ。

(沢沼哲哉)

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