2019年6月19日(水)

ソフトバンク、サウジ混乱で株安 投資戦略に不透明感

2018/10/15 18:30
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サウジアラビアの記者殺害疑惑を受け、ソフトバンクグループ(SBG)の経営にも影響が出るとの懸念が浮上した。15日の東京株式市場でSBG株は一時、前週末比8%安の9164円まで下落した。世界的な株安で同社株から資金が流出しているのに加え、SBGがサウジ政府と運用する巨大ファンドの投資戦略にも不透明感が広がっている。

ソフトバンクグループの孫社長(右)とサウジアラビアのムハンマド皇太子(中)(2017年10月、サウジアラビア・リヤド)=ロイター

9月末比のSBG株の下落率は19%を超え、同期間の日経平均(8%安)を大幅に上回る。米国発の世界的な株安でハイテク関連株から資金が流れ、同分野の投資を拡大しているSBG株にも先行きを懸念した売りはかさんでいた。

そこへ追い打ちを掛けたのが、サウジに批判的な記者が殺害された疑惑だ。市場では「ソフトバンク・ビジョン・ファンドの最大出資者であるサウジの情勢が混乱すれば、投資事業の先行きはさらに不透明となる」(国内運用会社)と警戒する声も聞かれた。

2017年に発足した運用額10兆円規模のビジョン・ファンドの最大の出資者はサウジ政府系の公共投資ファンド(PIF)で、450億ドル(約5兆円)と半分近くを出資している。石油依存からの脱却を目指す同国は、米ウーバーテクノロジーズなどデータや人工知能(AI)の先端技術を持つ世界の企業に投資するSBGと連携を深める狙いがある。

ムハンマド皇太子は米ブルームバーグ通信のインタビューで、450億ドルの追加出資にも言及している。だが、記者殺害疑惑が混迷すればこうした流れに影響しかねない。14日には英仏独の外相が真相究明を求める共同声明を発表するなど懸念は広がる。ビジョン・ファンドの投資対象の企業がサウジに対する批判を嫌気すれば、投資活動にも影響が出かねない。

市場ではSBGの業績への懸念もある。18年4~6月期決算では、ビジョン・ファンドの事業利益が2399億円と国内通信の2217億円を上回り、営業利益のほぼ3割を占めた。ビジョン・ファンドを武器に世界の成長企業を掘り起こす戦略だが、最大の出資者であるサウジの混乱が収まらなければこのシナリオも狂いかねない。

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