2018年11月15日(木)

仮設住宅の高齢化、顕著に 熊本地震2年半

九州・沖縄
2018/10/14 19:13
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熊本地震の建設型仮設住宅で暮らす65歳以上の割合(高齢化率)が40.5%と、全国推計(28.1%)を10ポイント以上上回ることが14日、分かった。最初の激震から2年半。若い世代より住まい再建が遅れる傾向にあり、増える要介護認定者への対応も課題となっている。

熊本県益城町の仮設住宅で佐藤龍象さん(左)と話す古賀絹枝さん(10日)=共同

建設型仮設が整備された14市町村(西原村と産山村を除く)の入居者数は8月末時点で計6208人で、うち65歳以上は計2516人。総務省が9月に発表した人口推計上の高齢化率や、昨年10月の熊本県全体(30.1%)を大きく上回った。

建設型仮設が100戸以上の市町村では宇土市が52.5%、嘉島町が51.7%と半数を超えた。他に3市町が40%を超えた。支援団体関係者は「経済事情や年齢を考え自力再建を諦める高齢者も多い」と指摘する。

要介護認定者も、西原村と産山村を含む16市町村は今年7月時点で、地震発生の2016年4月時点より約4.2%増の約6万100人。県全体の増加率1.6%を大きく上回る。県は「被害の大きかった地域では避難や転居で住環境が変わり体調を崩す高齢者が多い」とし、仮住まいの長期化に危機感を抱く。

益城町の仮設住宅で一人暮らしする古賀絹枝さん(84)は今年4月、起床時に骨盤を折り要介護認定された。押し車を使うようになり「バスに乗って遠くに出かけることができなくなった」と嘆く。自治会長をしていた佐藤龍象さん(57)は「運動の機会が減り、転倒して骨折するケースが多い」と明かす。

介護施設にもデイサービス利用や入所の相談が増えている。益城町の「いこいの里」によると、地震後、デイサービス利用が1.5倍になった。西田剛事務局長(45)は「環境が変わり居場所を求めて来る人も多い」と指摘。被災したスタッフ数人が辞め、人材不足の慢性化を懸念する。

県は「見守り活動で高齢者の状況を把握し、福祉施設との連携を強めたい」としている。〔共同〕

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