2018年10月16日(火)

首相が沖縄知事と初会談 政府、ひとまず対話姿勢

経済
政治
九州・沖縄
2018/10/12 20:33
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安倍晋三首相は12日、首相官邸で沖縄県の玉城デニー知事と会談した。玉城氏は米軍普天間基地(同県宜野湾市)の名護市辺野古への移設計画に反対する考えを伝達、首相は引き続き計画を進める意向を示した。政府と沖縄県の隔たりは大きいものの、政府は早期の会談に応じることで、ひとまず対話姿勢を見せた。

沖縄県の玉城知事(左)と会談する安倍首相(12日、首相官邸)

首相が玉城氏と会うのは4日の知事就任以降初めて。菅義偉官房長官も同席した。

玉城氏によると、首相は会談で辺野古移設を巡り「これまで進めてきた政府の立場は変わらない」と語った。玉城氏は9月の知事選を踏まえ「辺野古の新基地建設は認められないという民意が改めて示された」として反対を表明した。

辺野古問題は平行線だったが、首相は沖縄に配慮する姿勢も示した。「基地負担軽減に向けて着実に結果を出していきたい」と強調し「沖縄の振興に力を入れていく」とも伝えた。会談は当初15分の想定だったが、約30分に延びた。玉城氏は会談後、首相官邸で記者団に「対話の第一歩が踏み出せた」と語った。

玉城氏は11~12日に都内で自民党の二階俊博幹事長や岩屋毅防衛相らと相次ぎ会った。安倍政権に批判的な知事の就任直後に、政府・与党幹部がこうした対応を見せるのは異例だ。

辺野古への移設反対派だった故・翁長雄志氏が知事に就任した4年前は首相や官房長官と会うのに約4カ月を要した。今回、政府が早期に玉城氏と会談したのは、移設反対の民意が2回連続で示されたことへの危機感の表れともいえる。

来年には統一地方選、参院選を控える。来年4月以降には衆院沖縄3区の補欠選挙も予定されている。沖縄への対応次第では「地方軽視」との批判につながりかねない。

ただ、日米両政府は普天間の移設先は辺野古が「唯一の解決策」と確認しており、基本方針に変わりはない。玉城氏は政府や米国の双方に辺野古反対を訴え、世論の支持を得たい考えだ。12日の国民民主党の幹部らとの会談では、11月に訪米する意向を示した。

今後の焦点は、翁長前県政による辺野古の埋め立て承認撤回への政府の対応だ。政府は中断している工事再開に向けて法的な対抗措置をとる方針だ。法廷闘争に発展すれば対話ムードが崩れかねず、政府は世論を見極めながら時期を探る。菅官房長官は、12日の記者会見で対抗措置の次期について「精査している段階だ」と述べるにとどめた。

沖縄振興予算も焦点の一つだ。19年度予算の概算要求で内閣府は3190億円を計上している。玉城氏は首相との会談で要求以上の額を配分するよう求めた。

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