2018年10月17日(水)

「漫画村」の運営者側情報、米社が開示 米司法手続き

社会
2018/10/12 17:08
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海賊版サイト「漫画村」を巡り、サイトが利用していた米国企業が運営者側の氏名などの情報開示に応じていたことが12日、分かった。IT(情報技術)に関する政策提言などを行う一般財団法人「情報法制研究所」(東京・千代田)が明らかにした。従来困難とされた海賊版サイトの運営者特定や被害防止につながる事例で、海賊版対策の議論に影響しそうだ。

同研究所によると、漫画村に作品を無断公開された漫画家が原告となり、サイト運営者不明のまま米連邦地裁に6月、著作権侵害の損害賠償請求訴訟を提起した。

同地裁は運営者特定のため、漫画村がサイト配信に利用していた米IT企業「クラウドフレア」などに、「サピーナ」と呼ばれる罰則付き召喚状を送付し、契約者情報の開示を請求。強制力のある司法手続きで、同社は契約者の氏名(ローマ字)や住所、メールアドレス、携帯電話番号などを開示したという。

米国での訴訟は取り下げ、開示情報をもとに今後、国内で運営者側の提訴や刑事告訴も検討しているもようだ。

国内では海賊版被害防止のためサイトのブロッキング(接続遮断)の導入が議論になっているが、「憲法が保障する通信の秘密を侵害する」との慎重論も根強い。

同研究所は11日、海賊版対策を議論する政府の知的財産戦略本部などに対し、ブロッキングの可否を再検討するよう求める意見書を公表。同研究所理事の曽我部真裕・京都大教授は「既存の手続きでも海賊版被害を解決できる余地がある。憲法上の問題が懸念されるブロッキングが必要か、丁寧に議論すべきだ」と指摘している。

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