鉄道の計画運休「情報提供早く」 国交省検証会議

2018/10/12 12:08 (2018/10/12 18:46更新)
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台風24号の影響で鉄道各社が実施した計画運休を巡り、国土交通省は12日、各社を集めて開いた検証会議の中間まとめを公表した。計画運休を実施する場合、利用者になるべく早く、多言語で伝えることを確認。運転再開に際しても点検に時間がかかったり、台風の被害で障害が起きたりすることがあるため、鉄道会社間で連携して丁寧な情報提供を行うとした。

台風24号の影響で首都圏の在来線が運休となったことを知らせる案内(9月30日、JR新宿駅)

検証会議はJR各社や民間鉄道事業者計22社を集めて10日に開催。22社のうち18社が今回、計画運休を実施した。

中間まとめは、列車の駅間停車や駅の混乱を防ぐため、計画運休は「駅間の長さなど路線の特性に応じて必要」と指摘。台風24号では早期帰宅の促進やイベントの休止などを通じ、社会の安全を確保する役割も果たしたと評価した。

一方で影響は首都圏で約45万人、関西で約205万人に及び、利用者からより早い告知を望む声も上がった。

このため中間まとめでは、計画運休の可能性などを「極力前広(早く広く)」に公表するとした。ホームページやSNS(交流サイト)など多様な伝達手段を活用し、自治体などに情報提供することも確認。訪日外国人(インバウンド)が増える中、多言語での情報提供を積極的に行うことも盛り込んだ。

台風24号に伴う計画運休では倒木の影響などで一部路線で再開が遅れ、駅に乗客が滞留。JR東日本の32駅で入場規制が行われるなど再開時の対応も課題になった。

中間まとめによると、再開に際しては基本的に全線で安全を確認する。時間がかかる場合もあるため、互いに乗り入れる鉄道会社の間で綿密に連携し、再開の時期などについて適切に情報提供するとした。

同省はなお検討課題があることから、今回は中間まとめと位置づけた。石井啓一国土交通相は12日の閣議後記者会見で「自治体への情報提供の仕方や計画運休する時間をどのように表現するかなど、検討すべき課題も残されている。安全輸送を確保し、安心感を与えるための対策に引き続き取り組む」と語った。

首都大学東京の中林一樹名誉教授(都市防災学)は「鉄道は相互直通運転しており、計画運休は連携を密にしなければならない。検証会議で鉄道各社間で情報共有ができたことは成果だ」と評価。今後の課題について「台風は事前に気象情報を入手できる。帰宅・出勤困難者を出さないよう、適切な計画運休と再開に関するタイムライン(行動計画)づくりが必要だ」と指摘した。

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