2018年12月14日(金)

ウクライナの独立教会を承認 コンスタンティノープル、ロシア反発

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2018/10/12 10:06
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【モスクワ=古川英治】キリスト教・東方正教会の歴史的な中心地であるコンスタンティノープル(現イスタンブール)総主教庁は11日、ロシア正教会からの独立を主張してきたウクライナの教会を承認すると発表した。ロシアのプーチン政権がウクライナに侵攻するなかで、宗教でもウクライナのロシア離れが決定的になった。ロシアは激しく反発している。

バルソロメオス1世全地総主教の主宰で11日まで開いた会議で決めた。ウクライナの正教会はロシア正教会傘下の教会と、世界の教会から承認されていないキエフ総主教庁、ウクライナ独立正教会に分裂している。

コンスタンティノープルは独立を求めてロシア正教会から破門にされたキエフ総主教らを宗教法上の主教と認めた。ウクライナを自らの管轄下とするロシア正教会の主張を退け、教会の統一を促して正式に独立を承認する方針を確認した。

ロシアがウクライナ領クリミア半島を武力により併合、同国東部にも軍事介入したことで、ウクライナではロシア正教会離れが進んだ。キエフ総主教庁やロシア正教会系の一部の主教もコンスタンティノープルに独立承認を請願していた。ロシア正教会が、プーチン政権と一体となってウクライナの親欧米政権を攻撃していたことが背景にある。

ウクライナのポロシェンコ大統領は11日、「教会の独立は国家の独立と安全保障に関わる問題」「帝国(ロシア)は最後の影響力のテコを失った」と表明した。2019年に大統領選を控え、教会の独立を支持拡大につなげる思惑もある。

ロシアは1054年のカトリック教会と東方正教会の分裂を引き合いに圧力を掛けてきた。ペスコフ大統領報道官は11日、「東方正教会の深い分裂を望まない」とけん制、ロシア正教会の報道官は「破壊的な決定」と批判した。ロシアがウクライナ内の教会間の対立をあおる懸念もある。

ウクライナとロシアの正教会の起源はウクライナの地に成立したキエフルーシ公国の大公が10世紀にコンスタンティノープルから洗礼を受けた時に遡る。プーチン政権は16年、クレムリン(大統領府)の近くに巨大な大公の銅像を建立、正教会を利用してウクライナなどを勢力圏と主張してきた。

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