阪神の再建を託された金本監督にとって、3年は長かったのか短かったのか。「結果の世界ですから」との言葉には潔さとともに、思い描いた理想の実現が遠かったことへの徒労感もにじんだ。
「(就任)3年間で一番強い」と手応えを感じて臨んだ今季は、若手の成長に加え、大砲ロサリオの獲得で優勝を狙える布陣が整ったはずだった。だが、気がつけば福留、糸井の両ベテラン頼みになっていった。
「自前の選手を一人育てるのがこれだけ大変なのか。(これも)我々の責任」。金本監督が一番こたえたのは、若手の伸び悩みだったろう。2016年新人王の高山、昨季20本塁打の中谷は輝きを失った。今季は鳥谷を押しのけ三塁スタメンに抜てきした2年目の大山も、シーズンの大半で監督が期待したような成長を示せなかった。
全試合出場の野手は2年目の糸原だけ。6年目で飛躍した北條は9月中旬に負傷離脱し、投手では才木、小野、高橋遥らが大器の片りんを見せるも一本立ちには遠かった。そして、新人から3年連続で2桁勝った藤浪はこの3年間、制球難で苦しみ続けた。
球団は監督続投で中長期的強化を優先する方針だったが、甲子園で借金18と大きく負け越し、最下位に沈んだ現実は重かった。同じ3年目の巨人・高橋監督の退任も決断に影響しただろう。
球団が託した「ぬるま湯体質の払拭」は、自らも厳しい鍛錬で一流に上り詰めた金本監督に最も期待されたミッションだった。「ベースはできた」と揚塩球団社長は言うが、若手が戦力に育つまでに至らなかったのはなぜなのか。長年、戦力強化をFA市場に求めてきた球団には、育成のメソッドも文化も根付いていない。コーチ陣の指導力、中堅・ベテランの陣容を含め、再検証する必要がある。(影井幹夫)
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