2018年12月16日(日)

オフィス空室率「リーマン前」下回る 都心9月2.33%

住建・不動産
2018/10/11 20:55
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東京都心のオフィスビルの空室率の低下が続いている。仲介大手の三鬼商事(東京・中央)が11日発表した9月の空室率は2.33%と前月比で0.12ポイント低下。月次データが残る2002年1月以来の最低値を2カ月連続で更新し、2008年のリーマン・ショック前の水準を下回った。企業の移転・増床需要が強いほか共用オフィス業者の台頭が背景にある。

企業の移転・増床需要が根強い(東京都中央区の住友不動産八丁堀ビル)

企業の移転・増床需要が根強い(東京都中央区の住友不動産八丁堀ビル)

対象は都心5区(千代田、中央、港、新宿、渋谷)。住友不動産の「住友不動産八丁堀ビル」(東京・中央)は一部空室を残し竣工したが「既に引き合いがあり、早期に決まりそう」(同社)。プリペイドカード導入支援のバリューデザインなどが入居予定だ。

最近は働き方改革に向けた移転も目立つ。9月に「大手町プレイス イーストタワー」(東京・千代田)に移転した住友商事もその1社。通常の席とは別に、個人が業務に集中できるスペースや休憩用のラウンジなど共用部も充実。「コミュニケーションの活性化と仕事の質向上を両立させる」(同社)狙いだ。

共用オフィス業者が新たな借り手として、まとまった面積を賃借している面も大きい。米大手ウィーワークが築年数の浅い大型ビルを中心に拠点を相次ぎ開設しているほか、三井不動産など国内不動産大手も拠点数を広げている。

不動産サービス大手CBRE(東京・千代田)によると、共用オフィスの都全域の開設面積は前年の倍近くまで増加。23区内の成約面積に占める割合も昨年の2.3%から、今年は7.9%まで拡大している。

平均募集賃料は3.3平方メートル当たり2万438円と前月比0.72%(147円)上がった。上昇は57カ月連続だが、リーマン・ショック前に比べると1割低い水準にとどまる。

08年当時は外資系金融機関がけん引役だったが、リーマン・ショックを契機に規模縮小や撤退が相次いだ。現在、移転需要の中心は国内大手企業のほか急成長するIT(情報技術)企業で、高い賃料を支払える企業の数に限りがある。ニッセイ基礎研究所の佐久間誠氏は「19年以降も大型ビルの供給が相次ぐため、貸し手側も賃料の大幅な引き上げに動きづらい面がある」と指摘する。

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