2018年10月24日(水)

自動走行ロボと手ぶらで観光 国内初の公道実験成功

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北海道・東北
2018/10/11 16:03
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セイノーホールディングス(HD)やソフトバンク傘下のリアライズ・モバイル・コミュニケーションズ(東京・港)などでつくる日欧の企業連合は11日、札幌市内で自動走行する配送ロボットの公道実験を国内で初めて実施した。実験ではロボットの自律走行に成功。観光客が荷物を持たずに楽しめる「手ぶら観光」の実用化に近づいた。

実験に使ったロボットは仏エフィデンス社製で縦140センチメートル、横60センチメートルと一般的な台車ほどの大きさ。最大積載重量は300キログラム、最高速度は時速6キロメートルで、事前に認証した人の約1メートル後ろを追走する。全地球測位システム(GPS)の位置情報や周囲の地形データを記憶する機能を持ち、障害物を避けたり、自律走行したりする。

実験は札幌市内の商店街で行い、買い物をする観光客を想定。出発地点のホテルから人が歩きだすとロボットも追尾して走行を開始した。20メートルほど離れた薬局前で人が止まるとロボットも停止。観光客がトイレットペーパーと段ボールを積み込んで再び歩き始めると、ロボットも走行を再開。20メートル離れた飲食店に向かうと食品を積み込んだ。

次に観光客はロボットだけを出発点のホテルに戻すため専用スイッチを押した。荷物を載せたロボットは事前に記憶した位置情報や地形データを基に自走を開始。40メートルほど離れたホテルまでの元来た道をわずか数十秒で単独で戻った。

実験に関わった企業連合の担当者は「物を運ぶ新しいインフラを作り上げたい」と意気込む。同連合は2019年に公道での追尾走行サービス、20年には公道での自律走行サービスの開始を目指す。

公道での実験成功により、観光客や高齢者らの買い物支援サービスだけでなく、人手不足に直面する宅配や運輸サービスの支援などにも応用できるとの期待が高まる。

海外では国際物流・郵便大手ドイツポストが公道にある郵便ポストの集荷作業にロボットを使った実験に成功している。ドイツの別の企業では、倉庫内の荷だし作業や空港での荷物運びで自動走行ロボットを導入する事例がある。

一方、自走する配送ロボットの本格導入には課題もある。例えば人とロボットの間に障害物が入ると認証センサーが途切れ、停止してしまう場合がある。自走にはロボットが地形データを正確に記憶する高度な技術も求められる。また現在は自動走行する配送ロボットを規制する法律や指針はなく、安全走行には法整備も欠かせない。(塩崎健太郎)

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