2018年10月16日(火)

自然災害の経済損失330兆円、過去20年間で 国連調べ

ヨーロッパ
2018/10/11 16:30
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【ジュネーブ=細川倫太郎】国連国際防災戦略事務局(UNISDR)は10日、直近の過去20年間に自然災害によって発生した世界の経済損失額は2兆9080億ドル(約330兆円)に上るとの報告書をまとめた。前の20年間に比べ2.2倍に増加した。地球温暖化などの影響で異常気象が続く可能性が高く、今後も経済に与える負の影響は大きくなりそうだ。

2017年8月に米国を襲った大型ハリケーンは甚大な被害をもたらした(米テキサス州ロックポート)=ロイター

調査の対象期間は1998~2017年の20年間。報告書によると、主な自然災害の発生件数は7255件で、気象に起因する災害が全体の91%を占めた。特に洪水と暴風が頻繁に発生した「二大災害」だった。

死亡者数は130万人で、このうち56%は津波を含めた地震が原因と分析。負傷者数は44億人に達した。

国別の経済損失では米国が9448億ドルと最大で、05年と17年に大型ハリケーンが襲った影響が大きかった。2位は大洪水や四川大地震などに見舞われた中国(4922億ドル)、3位は東日本大震災が発生した日本(3763億ドル)だった。

経済損失は各国からの報告を集計した。ただ、低所得国を中心に被害状況が不明な国も多く、UNISDRは実際の被害はさらに大きい可能性が高いと予測。災害への備えが十分でない低所得国は高所得国に比べ、死傷者などが出る確率は高いとしている。

3月に日本人女性として初めて国連事務総長特別代表(防災担当)に就任した水鳥真美氏は「異常気象による経済損失は、世界の貧困撲滅のブレーキになってしまっている」とコメントした。UNISDRは損失を抑えるために「温暖化ガスの削減や減災に向けた投資が必要」と各国政府や企業に対応を呼びかける。

東日本大震災をきっかけに国連は15年、国際指針「仙台防災枠組み」を採択。30年までに世界の災害による死亡者や、経済的損失を大幅に減らす目標を設定した。

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