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「育成ドリーム」に期待 プロで磨かれ光る選手も
スポーツライター 浜田昭八

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2018/10/14 6:30
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金足農・吉田輝星、大阪桐蔭・根尾昂、報徳学園・小園海斗……。25日に行われるプロ野球ドラフト会議は、今夏の全国高校野球選手権100回記念大会を彩ったスーパー高校球児の争奪でにぎやかなことだろう。話題の球児のほかに、大学、社会人にも実力派が多い。外れ1位でも各球団の狙いが競合して、くじ引きが何度も行われるのではないか。

ドラフト制度は12球団の戦力均衡と、高騰する契約金の抑制を目的にして、1965年から始まった。その後、何度も改正を重ねたが、注目されるのは2005年に制定された「育成ドラフト」だった。

プロ野球は選手育成をアマ球界に"丸投げ"して、自らの手で育てる努力を怠っていると批判されてきた。1球団の選手保有は1、2軍合わせて70人までと決められている。長期戦を戦ううちに故障者も多く、自前で選手を育てるだけでは戦力を維持できない、というのがプロ側の言い分だった。

引退表明の記者会見後、内海(前列左から2人目)らと記念撮影する巨人・山口鉄(同中央)=共同

引退表明の記者会見後、内海(前列左から2人目)らと記念撮影する巨人・山口鉄(同中央)=共同

そこで、70人以外に育成を目的にした枠を設けようとしたのがこの制度。ドラフト指名されるには力不足のアマ選手にとって、プロへの新しいルートが開けた。育成で力がつけば「支配下登録」に契約が切り替えられる。

1軍の公式戦には出場できず

育成選手は当然のことながら、正規のドラフト指名選手と違う扱いをされる。ドラフト会議後に引き続き行われる「育成ドラフト」で指名される。当初は正規組の契約金に相当する「支度金」は100万円、年俸は200万円台だった。支度金は300万円になったが、年俸は相変わらず200万円台が多い。背番号は3ケタで、1軍の公式戦には出場できない。プロ野球選手になったといっても、つらい日が続く。

それでも、この中から飛躍した選手はいる。出世頭は今季限りで引退する巨人・山口鉄也だろう。育成制度初年の05年に入団し、07年に支配下登録。08年に11勝して新人王に選ばれた。翌09年からは主に中継ぎの救援で奮闘。09、12、13年には最優秀中継ぎ投手のタイトルを獲得した。それ以上に特筆すべきは、08年から16年まで9年連続60試合以上で投げた鉄腕ぶり。支度金100万円、年俸240万円(金額は推定)でひっそりと入団したが、自己最高年俸3億2000万円を得る"育成ドリーム"を達成した。

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