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「お接待」に心打たれ 韓国人女性が遍路体験記

四国八十八カ所霊場をすべて回る「結願」を7回達成し、巡礼者を案内する「先達」に外国人女性として初めて認定された韓国人の崔象喜さん(43)がこのほど、お遍路体験をつづったエッセー本「韓国女子 涙と絆の四国八十八ケ所参り」を出版した。「お遍路の素晴らしさを世界中の人に届けたい」と思いを込めている。

ソウル育ちの崔さんが巡礼を始めたのは、2010年。父親が亡くなるなどつらいことが続いていた時、以前に日本を旅行して知り合った高知県出身の日本人男性が四国遍路を教えてくれた。「病気で旅行もできなかった亡き父とともに巡礼し、供養したい」と挑戦を決めた。

約1200キロに及ぶ険しい道のりで、崔さんの心を打ったのは四国に根付く「お接待」の文化。地元の人々が食べ物や飲み物を無償で用意し、腰を痛めた時には病院へ連れて行ってくれた。

地域住人やお遍路さん仲間と過ごすうち、日本語もどんどん上達。13年に4度目の結願を果たし、四国八十八ケ所霊場会の公認先達となった。

「四国で助けられた分、誰かの役に立ちたい。こんなすてきなお土産のある旅を多くの人に知ってほしい」。韓国でお遍路情報をまとめたサイトを立ち上げ、16年には体験記も出版した。

しかし、心痛む出来事も。「外国人が道に迷わないように」と、地域の人々に許可を得て巡礼路にイラストや韓国語などで道順を示したステッカーを貼ったところ「遍路道を朝鮮人の手から守ろう」などと中傷するようなビラが張られた。

「誰かが嫌な気持ちになるなら」と、崔さんはステッカーを一枚一枚はがして回ったという。

「つらいし、怖かった。でも、四国の人たちは、白衣を着れば国籍や職業に関係なく『お遍路さん』と呼んでくれる。救われました」と話す。

今回のエッセー本は、韓国で出版した体験記から観光ガイド部分を削り、再編集した。出版はアートヴィレッジ、1500円。問い合わせは同社078(806)7230。

 ▼公認先達 四国八十八カ所霊場の案内人。結願を4回以上達成し、多くの人を霊場に導けることが認定の条件。四国4県の霊場寺院の住職で構成する一般社団法人「四国八十八ケ所霊場会」が霊場寺院からの推薦を受け、審査する。同霊場会は2018年10月5日までに1万6335人を先達として公認している。

〔共同〕

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