2018年11月16日(金)

新興国から11兆円の流出リスク IMFが報告
金融危機以来の規模 米利上げなど契機に

中国・台湾
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北米
2018/10/10 10:20
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【ニューヨーク=大塚節雄】国際通貨基金(IMF)は9日公表した世界金融安定報告で、利上げによる米金融政策の正常化が加速するなどして市場が不安定になった場合、新興国から1千億ドル(11兆円強)規模で資金が流出するリスクがあるとの分析を明らかにした。10年前に起きた金融危機にも匹敵する可能性もあるとして警鐘を鳴らした。

IMFは、利上げによる米金融政策の正常化が加速するなどして市場が不安定になった場合のリスクを分析=AP

報告は「この半年で世界の金融安定を巡る短期的なリスクがいくぶん高まった」と分析。米連邦準備理事会(FRB)による利上げやドル高のほか、貿易摩擦の激化などを背景に新興国が資金流出に見舞われていると説明した。

この先、先進国での金融環境が急激に引き締まれば、新興国側の政情不安や政策面の不確実性などもあいまって流出が加速するリスクがあるとの見通しも示した。

報告は「5%の確率で、中国を除く新興国の(債券などの)市場から、年間で1千億ドルかそれ以上の資金流出が発生する」と分析。この流出規模は対象国の国内総生産(GDP)総額の0.6%に当たる。10年前の金融危機時に近く、欧州債務危機に直面した2011年当時を大きく上回る水準だ。

資金流出の規模は、過去の低金利下で大量の資金が新興国に流れ込んだ分、大きくなる。アルゼンチンやトルコなどを念頭に「とりわけ外部からの資金調達に官民が依存している新興国の経済に深刻な影響を及ぼす」との見方を示した。

IMFは報告で「新興国の政策当局は、さらなる資金流出の圧力に備える必要がある」と訴え、健全な政策体系の確立や外貨準備の充実などを呼びかけた。

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