2018年11月16日(金)

EU、乗用車CO2「35%削減案」合意 環境相理事会
欧州議会などと交渉本格化へ

自動車・機械
ヨーロッパ
2018/10/10 9:05
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【ブリュッセル=森本学】欧州連合(EU)は9日、ルクセンブルクで加盟28カ国の環境相理事会を開き、域内で販売する乗用車の二酸化炭素(CO2)排出量を2030年までに21年目標に比べて35%削減する環境規制案で合意した。今後、すでに30%削減を提案しているEUの執行機関である欧州委員会、40%削減案を採択した欧州議会と法制化への交渉に入る。年内にも3者で合意したい考えだが、交渉は難航が予想されている。

記者会見で合意を報告する議長国オーストリアのケスティンガー持続可能・観光相(右)(9日、ルクセンブルク)=欧州理事会提供

記者会見で合意を報告する議長国オーストリアのケスティンガー持続可能・観光相(右)(9日、ルクセンブルク)=欧州理事会提供

環境相理事会が9日に合意したのは、乗用車のCO2排出量を30年までに21年目標比で35%、小型商用車の排出量を30年までに30%削減する案。欧州委案よりは厳しく、欧州議会案よりは緩い案となった。

理事会では、35%削減の妥結案を提示した議長国のオーストリアに対し、自動車産業の比重が大きいドイツや東欧諸国が雇用などへの影響を懸念して慎重論を展開。一方、オランダやアイルランド、ルクセンブルク、北欧諸国などがより厳しい削減目標を求めて、協議は難航した。

深夜まで13時間におよんだマラソン協議の末、最終的には加盟国の規模などを加味した「特定多数決」で決定。議長国のオーストリアによると、20加盟国が賛成、4カ国が反対、4カ国が棄権した。

今後は環境相理事会、欧州議会、欧州委員会の3者による自動車CO2削減の法制化に向けた交渉に焦点が移る。10日にも3者の代表者が交渉を本格化させる見通し。欧州議会は19年5月に選挙を控えており、EUはそれまでに削減目標を盛り込んだ法律を成立させたい考えだ。

ただ、欧州議会も環境委員会が当初、45%削減案を採択するなど厳しい規制を求める声が根強い。40%削減も最低限の措置と位置づけており、厳しい交渉になるのは必至の情勢だ。一方、30年までに実現可能なのは「20%削減」だと主張してきた欧州の自動車業界からの反発は強まりそうだ。

EUは現在、乗用車1台が1キロメートルの走行で排出するCO2のEU全体の平均値を130グラムに制限する規制を導入。さらに21年に95グラムとする目標達成に向け、欧州市場で自動車を販売する各社が取り組んでいる。

EUが検討中の新目標は21年以降の削減に道筋をつけるもの。EUはパリ協定で30年に40%削減(90年比)を達成すると約束しており、その実現につなげる狙いだ。

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