2018年10月18日(木)

中国も商標権の重要性を自覚(The Economist)

中国・台湾
The Economist
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2018/10/10 2:00
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中国では今年、英国の幼児向けアニメに出てくるピンク色の豚のキャラクター「ペッパピッグ」が、反抗的な10代の若者たちの間で反骨精神の象徴として使われ出し、インターネット検閲の対象となった。

「ペッパピッグ」(写真は中国製)の商標権を持つ英企業は、中国企業が100社以上この商標を登録しているため中国での商標登録をできずにいる=AP

「ペッパピッグ」(写真は中国製)の商標権を持つ英企業は、中国企業が100社以上この商標を登録しているため中国での商標登録をできずにいる=AP

だが、このペッパピッグは今、商標登録という全く別の問題でも望まない注目を集めている。このキャラクターのライセンスを持つ英国の企業は9月に、100社を超える中国企業が既にペッパピッグの商標登録を中国で出願済みのため、中国で自分たちの商標権が認められる道が実質的に阻止されていると述べた。

こうした第三者が勝手に商標権を登録するのは、海賊版や競合品を販売することでもうけたり、商標権を本来取得すべき企業が出願した際に、自分たちが既に商標権を握っているとして商標権の譲渡に巨額の請求をして稼いだりするのが狙いだ。今回の場合も、一部の中国企業は何年も前にペッパピッグの商標登録の手続きをしていたという。

中国の商標登録は先願主義のため、中国の国内企業がいち早く出願してしまうと、そのブランドのライセンスを正式に保有する外国企業がその後、中国で製品を販売しようと思っても、もはやできない(これに対し米国と英国は、当該商品およびサービスを最初に販売した企業に商標権の取得を認める先使用主義を取っている)。商標登録にかかるコストが安いことから、制度を悪用する企業が何百件と先回りして出願している。これまでに被害を受けた外国企業は何十社にも上る。

2012年には米アップルが「アイパッド(iPad)」の商標権を取り戻すために6000万ドル(約67億円)を支払った。米製薬大手ファイザーは、自社製品として中国で最もよく知られている勃起障害(ED)の治療薬「バイアグラ」でいまだに漢字表記の商標権を得られていない。

■中国企業も商標登録で被害を受ける

しかし、最近は中国企業も海外で同様の被害に遭う例が増えている。中国のロビー団体、中華商標協会(CTA)が加盟企業のうち特に知名度の高い中国企業300社近くを対象にした調査を委託したところ、約3分の1の企業が商標登録を先回りされた経験があり、1社当たり平均およそ4カ国でこうした事例が起きていた。

最も被害が大きかったのは中国のスマートフォンメーカー、ビボ(Vivo)が展開する98のブランドで、米国、ブラジル、欧州連合(EU)を含む53カ国・地域で第三者が先に商標登録を出願していた。たばこメーカーの湖南中煙工業もパナマからインドネシアまで21カ国・地域で同じ問題に直面した。

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