2018年12月14日(金)

中国が激怒した異例の米副大統領発言

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中国・台湾
北米
2018/10/9 16:00
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【ワシントン=中村亮】「米国側に誤った言動をただちにやめるよう要求する」。中国の王毅国務委員兼外相は8日のポンペオ米国務長官との会談で、トランプ米政権の対中政策を強く批判した。念頭にはポンペオ氏の訪中直前に対中批判を繰り広げたペンス米副大統領の講演があった。

ペンス米副大統領は「トランプ大統領は中国に決して屈しない」と断言した(4日、ワシントン)=ロイター

ペンス氏は4日、ワシントンのシンクタンクで「中国に対する政権の姿勢」と題した40分間にわたる講演に臨んだ。「中国が(世界中で)宣伝活動だけでなく政治・経済・軍事的な手段を総動員して影響力を拡大しようとしている」と主張。貿易戦争や知的財産権の保護のほか、南シナ海などの領土問題で一斉妥協しない姿勢を鮮明にした。米政権が特定の国をやり玉に挙げて包括的に政策を説明するのは珍しい。

ペンス氏は中国政府が経済的な優位性を勝ち取るために「官僚や企業にどんな手段を使ってでも米国の知的財産権を盗むよう指示している」と説明。治安当局も動員しているとした。中国指導部が、鄧小平氏がスローガンとした「経済の改革開放」を堅持するのは「建前だ」と指摘し、このスローガンも「今となってはむなしく聞こえる」と断じた。

軍事面では「海洋や宇宙などでの米軍の優位性を揺るがすための軍事力増強を最優先している」と指摘した。中国は世界貿易機関(WTO)加盟などで得た経済的な利益を「軍事力の増強にあてた」と批判。沖縄県・尖閣諸島で中国船が恒常的に監視活動をしていることもやり玉に挙げて「オバマ前政権は中国の行動を無視したがその時代は終わった」と強調した。

批判の矛先は中国の宗教弾圧にも及んだ。最近10年間で中国当局による信仰や文化への抑圧に抵抗するために150人を超える仏教徒が焼身自殺し、新疆ウイグル自治区で少数民族のウイグル族の100万人以上が「再教育施設」に収容されていると説明。「中国は自国民を抑圧する方向に180度カジを切った」と指摘した。

ペンス氏は中国が米国に内政干渉しているとも非難した。米ハリウッドの映画制作会社には中国を肯定的に描くよう要請し、米国企業にはトランプ政権の貿易政策を批判するよう促していると指摘。中国共産党の統制下にあるテレビ番組が米国の大都市を中心に放送されているとも批判した。

ペンス氏はトランプ政権が貿易・軍事面での対中強硬姿勢が「成功している」とした上で「中国は違う大統領を望んでいる」とも指摘した。トランプ氏の影響力低下や交代を狙って、中国が2018年の中間選挙や20年の大統領選に向けて「前例のない」内政干渉をしていると懸念を示した。

「トランプ大統領は決して屈しない」。ペンス氏は中国指導部へのメッセージとした上でこう強調した。「米国の国益や労働者、安全保障を守るために果敢に行動していく」と述べ、対中強硬姿勢を堅持するとして講演を締めくくった。

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