2018年10月22日(月)

世界景気予測2年ぶり下方修正 IMF、貿易戦争響く

トランプ政権
貿易摩擦
経済
2018/10/9 10:00
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【ワシントン=河浪武史】国際通貨基金(IMF)は9日に世界経済見通しを改定し、2018年の成長率予測を3.7%と7月時点から0.2ポイント下方修正した。トランプ米政権が仕掛ける貿易戦争がさらに激しくなれば世界景気は19年以降に最大0.8ポイント下振れすると警告した。世界経済見通しの下方修正は16年7月以来、約2年ぶりで、08年の金融危機後の景気拡大局面は転換点にある。

IMFは19年の世界の成長率予測も0.2ポイント下方修正した。米中の貿易戦争で景気が減速し、米利上げによる新興国の通貨安も世界経済を下押しする。世界経済見通しは11日からインドネシアで開く20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議の討議資料となる。

IMFはさらに貿易戦争のシナリオを5段階に分けて試算。米国が自動車の追加関税を発動すれば19年以降の成長率の下振れ幅は0.4ポイントに拡大する。投資減退や市場不安を引き起こせば、下方修正幅は最大で0.8ポイント程度に悪化するという。

日本の18年の成長率予測は1.1%と、7月時点から0.1ポイント上方修正した。19年は0.9%で据え置いた。現時点で貿易戦争の影響は軽微だが、米政権が自動車の追加関税を発動するなどすれば、19年以降の成長率は最大0.7ポイントほど下振れすると警告した。

中国は18年の成長率予想を据え置いたものの、米国の制裁関税の影響で19年分は0.2ポイント下方修正した。米国の関税措置が中国製品すべてに拡大すれば、下方修正の幅は1ポイント強に悪化。金融市場の混乱も伴えば下振れ幅は1.6ポイントに達し、成長率は5%を切る水準まで急減速する懸念がある。

貿易戦争は米国景気にも跳ね返る。大型減税の効果で米経済の18年の成長率は2.9%と見込むが、19年は2.5%に減速する。トランプ政権が自動車の追加関税に踏み切れば、相手国からの報復措置などで成長率の下方修正幅は0.7ポイントほどに悪化する。金融不安に発展すれば成長率の下振れ幅は1.0ポイント程度に達すると指摘した。

米連邦準備理事会(FRB)の利上げによって、新興国の一部は通貨安と資本流出に見舞われている。IMFは新興・途上国の成長率見通しを18年は0.2ポイント、19年も0.4ポイント引き下げた。ブラジル、南アフリカなど各国の成長率見通しも、軒並み下方修正した。

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