ブラジル大統領選、極右と左派の決選投票に
ボルソナロ氏リードを市場好感

2018/10/8 7:28 (2018/10/8 23:47更新)
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【サンパウロ=外山尚之】ブラジルで7日、テメル大統領の任期満了に伴う大統領選が投開票され、極右で元軍人のボルソナロ下院議員(63)と左派のアダジ元サンパウロ市長(55)が28日に実施される決選投票へ進むことが決まった。ボルソナロ氏の得票率は約46%と、当選に必要な過半数に届かなかったが、過半数に迫ったことを好感し、8日の外国為替市場でレアルは対ドルで上昇。主要株価指数のボベスパも大幅高で始まった。

7日、投票を終え支持者らに応えるボルソナロ氏(写真中央、リオデジャネイロ)=ロイター

7日、投票を終え支持者らに応えるボルソナロ氏(写真中央、リオデジャネイロ)=ロイター

高等選挙裁判所の発表によると開票率99%の時点で、ボルソナロ氏の得票率は46.03%。アダジ氏が29.28%、同じく左派のシロ・ゴメス元財務相(60)が12.47%で続く。

ボルソナロ氏は過去の軍政を称賛するなど強権的な姿勢で知られ、女性や同性愛者、黒人などに対する蔑視発言で「ブラジルのトランプ」と呼ばれる。選挙キャンペーン中には襲われて腹部を刺されて入院するアクシデントもあった。交流サイト(SNS)を通じた選挙戦を展開し、強いリーダーシップにより汚職や治安改善を実現すると約束していた。

ボルソナロ氏に対しては反発も根強く、各種世論調査では不支持率が支持率を上回る状況が続いていた。しかし選挙戦終盤にかけ左派候補のアダジ氏の支持率が伸びるなか、過去に大規模な汚職問題を引き起こした左派政権への回帰を嫌う声が表面化し、ボルソナロ氏の支持率が急伸していた。

ボルソナロ氏は7日夜にSNSを通じてビデオを配信。「我々が決選投票でこの差を拡大できると信じている」と発言した。傍らには財務相として指名予定の経済学者のパウロ・ゲジス氏を伴った。米国シカゴ学派のゲジス氏は市場原理を重んじる姿勢を見せており、市場からの信頼が厚い。

7日夜、選挙結果を受け演説するアダジ氏(サンパウロ)=AP

7日夜、選挙結果を受け演説するアダジ氏(サンパウロ)=AP

一方、アダジ氏は支持者や報道陣を前に演説し、「ブラジルの民主主義をまとめたい」と述べ、3位だったゴメス氏ら、左派系の候補者の支持者をまとめることでボルソナロ氏に対抗する姿勢を見せた。28日の決選投票に向け、今後は3位以下の候補者の取り込みがカギを握る。

同日に実施された議会選では、アダジ氏が所属する左派の労働党(PT)が下院で56議席を獲得し、最大派閥となった。ボルソナロ氏の所属する社会自由党(PSL)が52議席でこれに続く。ブラジルでは少数政党が乱立しており、両政党とも議会基盤は十分ではなく、今後は政権運営を見据えた連立工作が重要となる。

大統領選では得票率4.76%の4位に沈んだ中道右派のアルキミン前サンパウロ州知事(65)が所属するブラジル社会民主党(PSDB)など、中道系の政党の動向が注目を集めることになりそうだ。

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