2018年10月16日(火)

過半数が警戒区域未指定 北海道・厚真の土砂災害

社会
2018/10/7 17:26
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震度7を観測し、住民36人が土砂崩れによって死亡した北海道厚真町で、住宅近くの「土砂災害危険箇所」の43カ所で土砂崩れが起き、うち過半数の22カ所は土砂災害防止法で避難計画策定などを義務付けられる「土砂災害警戒区域」に未指定だったことが7日、道関係者への取材で分かった。少なくともうち3カ所で7人が犠牲になっていたことも判明した。

東京農工大の石川芳治名誉教授(砂防学)は「警戒区域は雨による土砂災害を想定している。地震を想定に入れることはデータが少なくて困難だが、災害の場所は大雨と地震で重なる部分が多い」と指摘。そのうえで「指定が進んでいれば、対策を取るなどして被害が軽減された可能性はある」と話している。

警戒区域は都道府県が土砂災害危険箇所を地図上から想定後、基礎調査や地元説明会などを経て指定。22カ所も指定予定だったが、道関係者は「対象が点在し、予算の関係から各年に振り分けていたため調査が遅れていた。地価下落への住民の懸念もあり、指定に時間がかかっていた」と説明した。

道によると、道と国土交通省は地震翌日の9月7日から9日、厚真町内の住宅近くの危険箇所108カ所を緊急点検。土砂崩れがあった43カ所中、22カ所を「応急的対応が必要な場所」、21カ所を「必要に応じて対応する場所」と判断した。

道関係者によると、緊急性が高い22カ所では、警戒区域指定に向けた調査の未実施が6カ所、調査済みだが未指定が7カ所だった。緊急性の低い21カ所も調査未実施が7カ所、調査後の未指定が2カ所で、計22カ所が警戒区域の指定に至っていなかった。

警戒区域に未指定の危険箇所で、犠牲になった7人が住んでいたのは厚真町の高丘、幌内、幌里の各地区だった。

国交省によると、危険箇所などから推定した警戒区域候補は3月時点で全国約66万3千カ所で、指定は8割の約53万1千カ所。来年度末までに基礎調査の完了を目指している。道内は候補1万1800カ所中、指定は半分以下の5240カ所。〔共同〕

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