米大リーグのプレーオフは6日、ア・リーグの地区シリーズ(5回戦制)の第2戦が行われ、ヤンキース(ワイルドカード)がレッドソックス(東地区)を6―2で下し、1勝1敗のタイとした。一回、主砲アーロン・ジャッジの先制ソロが打線に勢いを呼び、先発投手の田中将大も5回を投げて3安打1失点に抑えた。このカード第3戦は8日、ニューヨークに舞台を移して行われる。
まさにジャッジの値千金の一発だった。立ち上がりの一回、レッドソックスの左腕デービッド・プライスの変化球をとらえ、左中間スタンドに豪快な先制ソロを突き刺した。前日の第1戦を4―5と惜敗し、2戦目にして早くも「マストウィン(絶対必勝)」の重圧がかかった大事な一戦。そんなゲームの緊張感を吹き飛ばすには、主砲の本塁打に勝るカンフル剤はなかった。
ジャッジは地区シリーズ第2戦で一回、先制ソロを放った=AP
「大きい勝利だ。マサ(田中)がゲームを方向づけてくれて、ゲーリー(・サンチェス)も大きな2発のホームランを打ってくれた。(僕は)ただ質のいい打撃をこころがけているだけ。チームのことを考え、必要以上にやろうとはしていないんだ」
■スーパースターの貫禄十分
地区シリーズの対戦成績をタイに戻したこの試合後、ジャッジはこともなげにそう語った。しかし、実際にチームの推進力になっているのがジャッジであることは明らかだ。3日の地区シリーズ進出を懸けたアスレチックスとのワイルドカード戦では初回に先制2ランを放ち、レッドソックスとの地区シリーズ第1戦でも九回に1点差に追い上げる右越えソロ。6日の先制弾まで含めて3戦連続本塁打と、ジャッジはこの大事な時期に絶好調の打撃を続けている。
「試合前に米国の国歌を聞いている間から気分は高揚していた。ファンの盛り上がりがすごくて、国歌の最後は聞き取れないほどだった。ヤンキースタジアムとはこういう場所なんだ」
アスレチックス戦後のジャッジのそうした言葉を聞いて、頼もしさを感じたファンは少なくなかったはずだ。プレーオフではそれぞれのスタジアムが尋常ではないほどの雰囲気になり、その中で落ち着いて活躍できる選手ばかりではない。動揺を感じさせることなく、伝統のスタジアムで新たな「オクトーバー・マジック(10月の魔法)」を生み出したジャッジはスーパースターの貫禄十分だった。
ジャッジは最近、元主将のデレク・ジーター氏(現マーリンズ最高経営責任者)に比較されることがますます増えている。オールラウンドな遊撃手だったジーター氏と、昨季52本塁打で初の本塁打王に輝いたジャッジではかなりタイプが違っているにもかかわらずである。
通算3465安打を放ったジーター氏はロッカールームで常に落ち着いていて、自らの姿勢でチームメートに範を示すタイプのリーダーだった。それと同様、ジャッジも好不調を問わず常に同じように周囲に接することができる。昨季、ブレイクしても謙虚な姿勢は変わらず、メディアに対応するときも相手の目を見て話すことができる数少ない看板選手であり続けている。
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