トランプ氏に強まる逆風 民主、下院奪回へ攻勢
中間選挙へ1カ月

2018/10/7 1:30
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【ワシントン=永沢毅】トランプ米政権への審判となる11月6日投開票の米中間選挙まで1カ月に迫った。与党・共和党は連邦最高裁判所判事の人事を巡る混乱やトランプ大統領の税逃れ疑惑など逆風がやまず、守勢に立たされている。トランプ氏は民主批判を強めて挽回を狙うが、民主党は下院での過半数の奪還に向けて勢いを維持する。「米国第一」の是非を問う選挙戦は一段と激しさを増している。

米ウェストバージニア州の集会で、州歌に合わせリズムをとるトランプ大統領(9月)=AP

米ウェストバージニア州の集会で、州歌に合わせリズムをとるトランプ大統領(9月)=AP

4日夜、中西部ミネソタ州の集会場。「民主党は国境から犯罪が入ってくるのを容認している」「彼らが勝てば、株式相場は暴落するぞ」。トランプ氏は執拗に民主党への攻撃を繰り返し、共和党への投票を支持者に呼びかけた。

強硬発言の裏には、各種調査で民主党が優位に立っていることへの危機感がにじむ。米政治専門サイトのリアル・クリア・ポリティクス(RCP)によると、投票先を尋ねる調査で民主党は一貫して優勢を維持。5日時点では48.5%と共和党の41.3%を上回る。

中間選挙で野党が下院の過半数を奪還するケースは珍しくない。大統領選の中間の年にあたり、信任投票的な意味合いがあるためだ。しかも共和党は下院で民主党の倍近い約40人が引退。現職の再選率が9割を超える中、民主党が議席を上積みできる好条件が重なっている。

RCPによると下院はすでに民主党が205議席を固め、過半数の218をうかがう。36ある激戦区のうち、共和党の議席が34。民主党が激戦区の3分の1強の13議席さえ得られれば過半数を奪還する計算だ。過去の大統領選結果を的中させた選挙分析サイト「ファイブ・サーティー・エイト」では民主党の過半数奪還の可能性を74%と分析している。

激戦区での共和党の苦戦の背景にあるのが選挙を直前に控えたトランプ政権への相次ぐ逆風だ。1つはトランプ氏が指名した最高裁判事候補の性的暴行疑惑。候補の承認は確実な情勢になりつつはあるが、共和党支持層には同候補の承認に否定的な声が広がる。

米公共ラジオNPRなどの10月の調査によると「この候補は判事にふさわしくない」と考える女性は53%。9月下旬の前回調査から12ポイント上昇した。過去最多の女性候補出馬となる今回の中間選挙。「告発女性の主張をないがしろにしている」。民主党は下院の激戦区でこんな共和党候補への批判キャンペーンを繰り広げている。

著名ジャーナリストによる政権内部の告発本や米紙ニューヨーク・タイムズによる大統領の脱税疑惑報道なども逆風に追い打ちをかける。いらだつトランプ氏は選挙戦で民主批判のトーンを一段と高めており、米政治の分断に拍車をかける。

一方、改選が3分の1だけの上院は共和党が過半数を守るとの予測が多い。「ファイブ・サーティー・エイト」によると共和党の過半数維持の確率は77%。約1カ月前から約10ポイント上昇した。

中間選挙の結果を受けた議会構成は19年1月からの議会会期に反映される。上院と下院で多数派政党が異なる「ねじれ」が生じればトランプ氏がめざす追加減税や国境の壁といった「米国第一」を具現化する政策の実現は極めて困難になる。翌年の20年米大統領選でのトランプ氏の再選戦略にも直結する。

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