バフェット氏の示唆(大機小機)

2018/10/9 16:30
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著名投資家であるウォーレン・バフェット氏には、世界中に多くの支持者がいる。彼があがめられているのは、驚異的な運用成績を実現してきた優れた銘柄選択術を持つがゆえだ。

そのバフェット氏が2014年に、自らの遺産を将来的に引き受けることになる機関に向けて提言した運用方針がふるっている。資金の90%を米S&P500種株価指数に連動するファンドに、10%を短期政府債に投資せよというのだ。自らはアクティブ投資家なのに、インデックス投資を薦めているのである。

この投資方針に沿って運用し、手数料の低い運用会社を選べば、長期的な運用成績は高い運用手数料を払っている年金基金や機関投資家、個人投資家のほとんどを上回れると強調した。

バフェット氏は本年2月、インデックス投資を巡るさらなる見解を示し、再び世の関心を集めた。ヘッジファンドで構成する5本のファンド・オブ・ファンズを対象に過去10年の運用成績をS&P500指数と比較・検証したところ、前者が後者に劣後する結果だったという。一連の検討を経て「最終的に得た結論は、いったん構築した投資方針の大枠に固執し、後はジタバタしないこと」であった。投資の神様といわれるバフェット氏の見解だけに、世間は大きく反応した。

これは、わが国の個人投資家にとっても重い示唆である。アクティブファンドの運用成績が長期継続的に株価指数を上回るのが難しいという事実は、わが国でも同様だからだ。

ところが、わが国の純資産総額が大きい投資信託上位20本には、インデックス投信が1本も含まれていない。これは、長期投資におけるインデックス投資の優位性を知る個人投資家が少ないことを物語っている。ごく短い期間の運用結果だけで有望な投資先かどうかを判断したり、「人気がある」という理由だけで便乗的に投資したりする個人投資家が多い。

インデックス投資型の金融商品は手数料や信託報酬が低く、業者側のうまみも少ない。積極的に顧客に推奨する動機が働きにくいのは確かである。だが、昨今では金融リテラシーをキーワードに投資教育の充実が叫ばれている。インデックスファンドに関する客観的な情報発信の増加を望みたい。(陰陽)

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