消費者庁は5日までに、キノコ狩りのシーズンである10月に毒キノコによる食中毒被害が多発するとして、注意を呼びかけた。2012年から17年の6年間で608人が食中毒になり、うち6割の382人が10月に発症。今夏は気温が高く雨量も多かったため、毒キノコが例年より多く発生する可能性もあるという。
消費者庁によると、ヒラタケやシイタケと見た目が似ている「ツキヨタケ」による食中毒件数が最も多い。食後30分から1時間で嘔吐(おうと)や下痢に苦しめられるという。白色の「ドクツルタケ」は内臓の細胞を破壊する毒性成分を含み、肝臓などに障害が表れ、死亡するケースもあるという。
三重県内では9月、県内の男性が強い毒を持つ毒キノコ「ニセクロハツ」を食べて下痢や嘔吐を繰り返し、搬送先の医療機関で死亡した。
同庁の担当者は「生息条件によっては色や大きさなどが異なるため、図鑑で見比べるだけでは毒キノコと判断できないことがある。少しでも不安があれば食べないでほしい」と呼びかけている。