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豊島逸夫の金のつぶやき

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金利異変、注目は3つの「3%」

2018/10/5 10:03
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米国発の金利急騰がアジアから欧州へ波及した。4日の米債券市場で米10年債利回りは3.18~3.23%前後の高水準で推移。世界的な金利高を嫌気し、米国株式市場でダウ工業株30種平均は前日比200ドル安急落した。株式市場で変動率予想を示す「恐怖指数(VIX指数)」も2割ほど急騰して14台をつけている。外国為替市場では、米金利上昇によるドル高・円安傾向に、リスクオフの円高がブレーキをかけた。

そもそも米長期金利が3%を突破したことは、米国経済好調の証しなのだが、市場は金利のボラティリティー(変動)が激しいことに不安を感じている。背景には、米国債先物の売り残高が過去最高水準という状況が指摘される。米国債先物は、今や市場で最も混み合っているトレードと言われるが、ここまで膨張すると、いつ買い戻しの雪崩現象が起きても不思議はない。さらに、原油高も金利高の一要因になっており、不透明感を醸成している。

米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長の発言も効いた。「中立金利を超えても必要とあれば利上げする用意がある。ただし、当面は金利水準が中立からは、ほど遠い」と語ったのだが、市場は前者の部分を重視している。

欧州では、欧州中央銀行(ECB)が量的緩和終了のカウントダウンの段階での国債利回り上昇なので、需給面から国債価格が下がり(利回りが上がり)やすい。

国内債券市場で長期金利の指標となる新発10年物国債利回りも0.155%に上昇した。日銀が臨時の国債買い入れオペ(公開市場操作)を行わず、実質的に長期金利の上限を0.2%程度まで容認する姿勢を見せたことも欧米市場で注目された。「出口戦略でFRB、ECBの次は日銀(BOJ)」との認識が欧米市場では依然根強いからだ。

米金利の急騰が、新興国経済に与える影響も懸念される。投機的な「新興国売り」が小康状態の兆しも見え始めた中で、再び相場の頭をたたかれた感がある。

市場ではくしくも、3つの「3%」というマジックナンバーが注目指標となった。

まず、米長期金利の3%台への本格突入。次に、5日発表の米雇用統計で最も注目される平均時給が年率3%に接近するか。そして、FRBが想定する中立金利が、3%以上に引き上げられるか。

世界のマーケットが債券市場の動向に身構えている。

豊島逸夫(としま・いつお)
 豊島&アソシエイツ代表。一橋大学経済学部卒(国際経済専攻)。三菱銀行(現・三菱UFJ銀行)入行後、スイス銀行にて国際金融業務に配属され外国為替貴金属ディーラー。チューリヒ、NYでの豊富な相場体験とヘッジファンド・欧米年金などの幅広いネットワークをもとに、独立系の立場から自由に分かりやすく経済市場動向を説く。株式・債券・外為・商品を総合的にカバー。日経マネー「豊島逸夫の世界経済の深層真理」を連載。
・公式サイト(www.toshimajibu.org)
・ブルームバーグ情報提供社コードGLD(Toshima&Associates)
・ツイッター@jefftoshima
・業務窓口はitsuo.toshima@toshimajibu.org

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