2018年12月15日(土)

NY株、一時356ドル安 金利急上昇に警戒感

北米
2018/10/5 6:36
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【ニューヨーク=宮本岳則】4日の米国株式市場では、ダウ工業株30種平均が6日ぶりに反落した。下げ幅は一時、前日比356ドル安まで広がった。米金利の急上昇に対する警戒感が高まったほか、米アップルなどを狙った中国の情報機関によるスパイ疑惑が浮上し、ハイテク株が売られた。株価は史上最高値圏で推移していただけに、利益確定売りが出やすかった。

米金利の急上昇に対する警戒感が高まった=AP

ダウ平均の4日終値は前日比200ドル91セント(0.74%)安の2万6627ドル48セントとなった。ハイテク株の構成比率が高いナスダック総合株価指数は同1.81%安となり、1カ月半ぶりの安値をつけた。リスク資産への売りは原油先物市場にも波及。ニューヨーク原油先物市場ではWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)で期近の11月物が同3%安と急落した。

この日の急落について、米ジョーンズトレーディングのデイブ・ルッツ氏は「1度に複数の悪材料が重なり、ヘッジ(損失回避)の取引が膨らんだ」と指摘する。オプション価格から算定し、相場の予想変動率(ボラティリティー)を示すVIX指数は4日、14.22となり、前日比で22%上昇した。これが商品投資顧問(CTA)など投機筋の機械的な売りを誘い、下げを増幅させた面もありそうだ。

投資家がリスク回避姿勢を強めたのは、金利上昇の悪影響を懸念したためだ。前日に米長期金利が7年ぶりの水準に達し、アジア時間帯に新興国株がほぼ全面安の展開となった。世界経済の減速につながれば、海外で広く事業を展開する米企業の業績にも響く。国内で金利上昇の影響を受けやすい住宅関連などにも売りが広がった。

米アップルや米アマゾン・ドット・コムなどの情報機器に中国の政府機関が悪質なチップを組み込んでいたとの一部報道も重なり、投資家心理はさらに悪化した。現時点で問題の広がりは不透明だが、米中摩擦の激化を連想させた。ハイテク株は金利上昇で割高感が強まるほか、年初からの上昇率が相対的に大きいだけに、利益確定の対象になりやすかった。

当面は金利動向をにらみながら、不安定な相場展開になりそうだ。もっとも、米景気や米企業業績への信頼感はまだ崩れていない。米ボストン・カンパニー・アセット・マネジメントのジョン・ポーター氏は「法人税引き下げ効果を除いても増益になっている企業は多い」と指摘する。10月中旬以降に2018年7~9月期の決算発表シーズンに入れば、再び米企業の好業績に市場の関心が向かうとみられる。

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