パキスタン、サウジとFTA交渉へ 製油所建設も

2018/10/4 20:21
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【ニューデリー=黒沼勇史】パキスタンとサウジアラビアが3日、自由貿易協定(FTA)の交渉入りで合意した。パキスタンの国営通信APPが報じた。パキスタンは中国とFTAを締結しているが、世界最大級の産油国であるサウジとも経済関係を深める。パキスタン西部グワダル付近に製油所を建設する構想についても同国とサウジは協議する。グワダルの港は中国が運営権を握る。

中国が港の運営権を握るパキスタン西部グワダルの近くでサウジアラビアが製油所建設を検討する=ロイター

パキスタンでは対外債務の償還額が膨らんでいるほか、中国主導のインフラ整備で輸入が増え、外貨準備高が過去2年で半減した。足元の外貨危機への対応策としては輸入額の抑制も有効で、パキスタンは原油輸入代金の支払い遅延もサウジに求めているとされる。

パキスタンとサウジの2国間の貿易額は2016年が22億ドル(約2500億円)、17年が30億ドル。パキスタン側の大幅な輸入超過で、原油に加え、精製済みの石油製品の輸入も急増している。サウジから投資を受けて製油所を建て、石油製品の輸入額を減らせば、貿易赤字を抑制でき、パキスタンにとっては外貨準備の減少ペースを鈍らせることも可能になる。

APP通信によると、このほどパキスタンを訪れたサウジの視察団代表は、同国がグワダル近郊での製油所建設に関心を持っており、協議入りに向けて今後、両国間で覚書を交わすと話した。パキスタンでの資源採掘でもサウジは協力する。

8月に発足したパキスタンのカーン政権は、外貨準備を100億~120億ドルほど、早急に積み上げる必要に迫られている。パキスタンは中国の広域経済圏構想「一帯一路」の途上だが、支援を中国だけでなく、サウジにも求めることで、国際通貨基金(IMF)に対する財政支援要請を回避する狙いもある。パキスタンはサウジに本部を置く国際金融機関、イスラム開発銀行(IDB)に約40億ドルの融資を要請しているともいわれる。

パキスタンの隣国イランは警戒しそうだ。イランはサウジと対立しており、同国のパキスタンへの接近を警戒する可能性がある。グワダルはイラン国境に近いパキスタン西部にあり、製油所建設などでサウジが協力すればイランを刺激しかねない。

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